2026年6月、自由民主党と日本維新の会は高市早苗首相に対し、補助金・基金・租税特別措置の抜本的見直しを求める政府効率化に関する共同提言を提出しました Photo:JIJI
今回のキーワードは「租税特別措置」です。住宅ローン減税や研究開発税制など、政策目的のため特定の個人や企業の税負担を軽くする仕組みです。政府は食料品の消費税減税などに年5兆円規模の財源を必要としています。そこで浮上する租特の見直しは、本当に財源になり得るのでしょうか。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
住宅ローン減税も租税特別措置
「税の例外」はなぜ設けられる?
今週のキーワードは「租税特別措置」です。
国が特定の政策目的を達成するため、所得税法や法人税法などで定められた通常の課税ルールとは異なる、特別な税制上の措置を設ける仕組みです。
例えば、企業の研究開発や設備投資を促すために法人税を軽減したり、個人の住宅取得を後押しするために所得税を減らしたりします。
税制には「公平・中立・簡素」という基本原則があります。同じ所得や経済活動であれば、原則として同じように課税することが求められます。
租税特別措置は、特定の政策目的を達成するため、その原則にあえて例外を設ける仕組みです。そのため、必要性や政策効果を定期的に検証し、原則として期限を区切って設けることが求められています。
こう書くと堅苦しく聞こえますが、読者に身近な代表例が「住宅ローン減税」です。
住宅取得を支援するという政策目的から、住宅ローンを使って一定の要件を満たす住宅を取得した人について、年末のローン残高の0.7%を原則として所得税などから控除します。
住宅ローン減税は期限延長を繰り返してきました。2026年度税制改正でも、25年末までだった適用期限が5年間延長され、30年末までの入居が対象となりました。
一方、高市内閣は26年8月、現在8%の軽減税率が適用されている食料品について、27年4月から2年間、消費税率を1%に引き下げる方針を閣議決定しました。さらに中低所得者には残る1%分に相当する給付を行い、負担を実質ゼロにする方針です。
この措置には年間5兆円規模の財源が必要とされています。政府は、その財源を赤字国債に頼らず確保する方針を掲げています。財源の多くを国債発行に頼れば、財政悪化への警戒から国債が売られ、長期金利の上昇につながる可能性があります。高市政権としても避けたいところでしょう。
そこで財源候補として浮上している一つが、租税特別措置の見直しです。消費税減税・給付の財源を、租税特別措置の廃止や縮小によって捻出することはできるのでしょうか。
次ページでは、金額の大きな租税特別措置を見ながら、その可能性を検証します。







