臨時閣議後、記者会見に応じる高市早苗首相=8月5日 Photo:SANKEI
27年4月から2年間実施を閣議決定
財源確保は来年度予算編成に先送り
8月5日、政府は正式に、食料品の消費税率を2027年4月から2年間限定で8%から1%に引き下げることを閣議決定した。1%分相当の中低所得者への「所得連動型給付」も実施し、税率を「実質ゼロ」にする。
財源については、赤字国債に頼らないとしたものの具体策は明示されておらず、「来年度予算編成の過程で示す」と高市早苗首相は言う。
今回の閣議決定は、物価高対策が焦点となった先の総選挙での公約に忠実に従ったというが、自民党の公約は「(消費税減税の)検討を加速する」というものだった。
公約を受けて具体的に検討をしたのは、社会保障国民会議の実務者会議の場だったが、減税の関係者であるスーパーや外食産業、農漁業従事者、経済界、地方自治体などからは、事務コストや現場の混乱を懸念する声や、地方の社会保障財源の減収につながりかねないことから、減税には消極的な見解が多かった。
財源をどう確保するかという問題も、一切検討されなかった。野党側もがおおむね消費税減税に賛成をしていることから、この点への追及はなく検討は全く進まなかった。
減税を主張してきた野党の責任も大きいと言わざるを得ないが、それ以上に際立つのは、高市首相の「減税ありき」の姿勢だ。
首相は、消費税減税について、表向きは社会保障国民会議の議論にゆだねるとしてきたが、最終局面では「自ら判断する」姿勢を貫いた。自民党内にも少なからずの慎重論があったが、結局は、高市首相の「悲願」に忖度したものと言わざるを得ない。
だが海外の事例を見ても、消費税減税分がそのまま物価の下落につながったという状況ではない。
懸念されるのは、金融市場の反応だ。10年国債金利(長期金利)は、積極財政を掲げた高市氏が自民党総裁選で勝利したころから、上昇が顕著になっている。
高市政権で最初となる「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太方針2026)」の取りまとめの過程で、「原案」に日本銀行の利上げをけん制するような文言があったことに反応、一時は2.900%と30年ぶりの高水準まで上がった。
「骨太ショック」は、その後、骨太の記述が修正されるなどでいったんは落ち着いているが、減税財源は5兆円規模が必要で、秋以降の来年度の税制改正や予算編成のなかで、長期金利が再び急騰する事態が懸念される。







