8月27日に予定されている氷見野副総裁の講演が「9月利上げ」を占う当面の焦点だ。写真は7月9日、日本銀行の支店長会議に臨む植田和男総裁(中央)と永見野副総裁(左) Photo:JIJI
注目は27日の氷見野副総裁講演
利上げペースは速まる可能性
日本銀行が9月17日、18日に開かれる金融政策決定会合で1.25%への政策金利の引き上げを決めるとの観測が広がっている。
政策金利の据え置きを決定した前回7月の決定会合における審議委員らの主な意見を見ると、物価の上振れリスクを指摘する意見が多数見られ、そのリスクを回避するためには、一定の利上げペースにとらわれず、利上げペースを速める可能性を示唆する意見が増えている。
また、7月会合後の記者会見で植田和男日銀総裁は、次回(9月)以降の会合で物価の上振れリスクを意識しつつ、さまざまな要因を分析しつつ、しっかり議論していくと述べ、9月会合での利上げの可能性を否定しなかった。
9月決定会合か、遅くとも次の展望レポート(経済・物価情勢の展望)が発表される10月の決定会合で、政策金利の引き上げが決定されることになるだろう。
政策金利が1.25%に引き上げられると、日銀の示している中立金利の推計レンジ(1.1%~2.5%程度)の下限を超え、中立圏に入ってくる。金融政策正常化のゴールに近づくという意味で、次の利上げは重要だ。
日銀は、2024年7月に0.25%への利上げを行って以降、今年の6月に1%への利上げを行うまで、半年から1年弱の間隔を置いて政策変更を決めてきた。9月の会合で利上げが決まれば、前回利上げから3カ月での政策変更となる。
利上げペースがこれまでより速まる要因として、7月末に28年ぶりの日米協調介入が実施されたことを受けて、日銀が円安阻止に本腰を入れざるを得なくなったことを挙げる見方もある。
だが、以前から日銀は、円安が将来のインフレ圧力を高めることには注意を払うものの、為替を直接的な理由として金融政策の変更はしないという基本スタンスは一貫している。
利上げを行う理由としては、円安そのものを理由にするのではなく、円安の影響も含めた今後の物価の上振れリスクに対応するためという説明がされるはずだ。
そうは言っても、利上げの可能性が市場に織り込まれている状況で、金利を据え置き円が急落することは日銀も望んでいない。9月の会合で利上げを決めるつもりがないのであれば、8月27日に予定されている氷見野良三副総裁の講演で、9月の利上げに否定的なコメントが出てくるはずだ。
逆に、講演で9月利上げの可能性を排除しなければ、日銀が9月会合で利上げを決定する可能性はさらに高まる。
その意味では、氷見野副総裁の講演が「9月利上げ」を占う当面の焦点だ。







