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市場では、次回利上げが9月か、10月か、12月かが注目点となっている。筆者は単に次回利上げが9月に前倒しされるだけでなく、2027年春までに政策金利は1.75%に引き上げられるとみる。時期と水準は、9月に1.25%とした後、12月に1.5%、2027年3月には1.75%と予想している。今回の金融引き締めサイクルにおける最終到達金利(ターミナル・レート)は2.5%であり、物価動向次第ではそれ以上となるリスクもあるだろう。(BNPパリバ証券経済調査本部長兼チーフエコノミスト 河野龍太郎)
7月会合では植田総裁が利上げ加速を示唆
9月利上げの可能性高まる
7月31日の7月決定会合の前から筆者は、日本銀行が6月会合以降、政策運営の局面変化を意識し始めており、9月利上げの可能性は五分五分に近づいたと考えていた。
7月展望レポートでは、日銀は、(1)中東情勢に加えて、AI需要と為替相場の3つの要因が、先行きの大きなリスク要因であり、(2)いずれもインフレを上振れさせる要因であることを強調した上で、(3)それら3つの要因等が経済・物価の見通しに与える影響やリスクを点検しながら、今後の利上げのタイミングやペースを検討していくとフォワードガイダンスに書き込んだ。すなわち、利上げのタイミングの前倒しやペース加速の可能性が明示された。
実際、決定会合後の記者会見で、植田和男総裁は、利上げのタイミングやペースを説明する文脈の中で、「次回以降の決定会合において、しっかりと議論してまいりたい」と述べている。
また、9月利上げの可能性について問われた別の複数の質問に対しても、「次回以降、決定会合できちんと分析、議論しつつ政策を決めていく」、「次回以降の決定会合においてしっかりと議論してまいる」と述べ、9月利上げの可能性を示唆していた。
実は、「しっかりと議論していく」という植田総裁のフレーズは、利上げを決定した昨年12月決定会合と今年6月決定会合の直前の講演でも発した植田総裁流の利上げ予告の決めゼリフでもある。9月利上げの蓋然性は5割を超えたと考えるべきだろう。
既に6月のステートメントにおいて、日銀は、「基調物価上昇率が2%目標を上振れるリスク」を明示していた。7月の展望レポートのフォワードガイダンスでは、一歩踏み込んで、「基調的な物価上昇率が2%の『物価安定の目標』を超えて上振れていくリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことがないよう、基調的な物価上昇率を2%程度の水準で安定させていくという観点が重要になる」と強調した。これは金融政策運営において、重要な変化を意味する。
これまで日銀は、「基調物価上昇率を2%に引き上げること」を政策運営の目的としていた。それが、6月以降は、「基調物価上昇率が2%を超えることを回避すること」にシフトしたということである。
今回はフォワードガイダンスで、金融政策運営の「局面変化」が訪れたことを改めて明示しており、利上げの前倒しは次回利上げにとどまるものではないと考えられる。
次ページでは、今後の利上げペースについて分析するとともに最終到達金利について予測する。







