金(ゴールド)価格は8月に急反発!構造的需要で価格は復調も資金流入は一時停止の要因とは?【投資信託の最前線】

2026年8月に入り14%を超える急反発を見せ、再びプラス圏へと浮上してきた金(ゴールド)価格。 世界的な外貨準備のシフトなど強固な構造的需要が下値を支えるものの、拡大を続けてきた金関連投資信託の純資産残高は、2026年2月のピーク時から一転して縮小傾向にあります。 相場の底打ち感と相反するように短期マネーの流入が止まった背景を探りつつ、今後の金関連投信の回復シナリオを分析します。

8月に14%超の急反発を見せる金相場 
過熱感の調整を経て構造的な需要が底値を支える

 金(ゴールド)価格が足元で急反発しています。

 2025年の1年間で6割超も上昇した金価格ですが、2026年前半に大幅に調整する局面も。しかし、8月21日時点の金先物価格(CMX)は月初から14.2%上昇し、年初来でも6.5%のプラス圏に浮上してきました。

 以前の連載「金(ゴールド)価格のリターンがマイナスに転落!金関連投資信託は保有継続でいいのか?」でも取り上げましたが、金価格は、2025年の大幅な上昇による過熱感があった一方で、世界の中央銀行が外貨準備を米ドル資産から金にシフトする動きなどが継続。こういった構造的な金需要が相場を支えているものと思われます。

純資産残高はピーク時の3.8兆円から減少 
5月以降は短期上昇を狙う資金の流入がストップ

 2026年前半にかけて、国内投資信託市場でも金価格に連動する投資信託の新規設定が見られました。その後の金に投資する投資信託の資金動向はどうなっているのでしょうか。

 投信評価機関モーニングスターのデータによれば、金関連の投資信託(単一のコモディティを投資対象とし、投信名に「金」または「ゴールド」が入っているものを抽出)は38本まで増加しています(2025年末時点で34本)。2025年末時点の残高は2.7兆円で、ピークとなった2026年2月末には3.8兆円まで急増。しかし、7月末時点では3.1兆円まで減少しています。

 資金フローを見ると、2026年1~3月で計6200億円の資金流入となった後、5月以降は資金流入が止まった形になっています。3月に金価格が急落した場面では押し目買いの動きも見られました。ところが、その後は株式相場が反発する中で金相場の低迷が続いたことから、短期的な金価格の上昇を狙った資金流入が止まってしまったものと考えられます。

バランス型投信は資産分散効果から資金が安定 
短期資金の多い金投信は本格回復まで時間要す

 なお、2026年前半にかけて、金関連の投資信託以外にも、金への投資配分を高位に保つアセットアロケーション型(バランス型)投信の新規設定が多く見られました。こうしたバランス型投信も金価格の下落の影響を受けたものが多かったはずですが、資金フローはそれほどの変化が見られないと考えます。金への資産配分について分散効果や資産防衛などの目的がきちんと認識されている投資信託は、長期的な視点で投資されているためです。

 一方、このような長期投資前提の資金が多いバランス型と違い、短期的な値上がりを追求した金投信については、やはり年前半の金相場低迷の影響が大きいと考えられます。2025年~2026年3月にかけての高い資金流入水準までに回復するには、時間がかかるものと思われます。

藤原延介さん藤原延介(ふじわら・のぶゆき)●1998年三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。マーケティング部 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応大学経済学部卒。
◆投資信託の最前線
20年超にわたって投資信託動向を分析してきた藤原延介氏が、投資信託の最新動向やニュースを取り上げて、わかりやすく解説! 2024年から大幅拡大したNISAでは、投資信託での運用が不可欠に。でも「どうやって選べばいいの?」「組み合わせ方法は?」などわからない人も多いのでは? このコラムで投資信託の売れ筋やトレンドの変化をチェックすることで、投資信託の選び方や資産運用法などが見えてきます。
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本記事は2026年8月8日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。