
2025年の大幅上昇から一転、2026年に入り急落するなど激しい値動きが続く金(ゴールド)相場。国内の金関連の投資信託でも、ピーク時から資金流入が「ほぼゼロ」になるなど、個人投資家の動揺がデータに色濃く表れています。しかし、世界の中央銀行が金を買い増す構造的な需要は、短期的には変わりません。いま個人投資家がすべきなのは、損切りか?それとも保有継続か? 投資信託市場の最新データから、これからの資産運用における金の位置付けを再考します。
金価格は2025年の熱狂から一転、2026年年初来ではマイナス圏に
金関連投信の残高はピーク時の3.8兆円から減少へ
金(ゴールド)相場が低調な動きとなっています。金先物価格(CMX)は、2025年に、株式を上回る6割超の大幅な上昇を記録しました。しかし、2026年に入って変動の大きな相場展開が続いています。1月下旬には年初来で2割超とさらなる上昇を記録する場面もあったものの、足元では年初来でマイナス圏にまで落ち込んでいます。こうした市場環境を受けて、国内投資信託市場でも金関連の投資信託の動きに変化が見られています。
投信評価機関モーニングスターのデータによれば、金関連投信(単一のコモディティを投資対象とし、投信名に「金」または「ゴールド」が入っているものを抽出)は39本あります。その残高は5月末時点で3.4兆円と、ピークを付けた2月末の3.8兆円から減少に転じています。
また資金フローを見ると、2025年は金関連投信への資金流入が急加速していましたが、2026年2月に記録した3000億円強の資金流入をピークに4カ月連続で急減速に転じました。5月には+5億円程度と2023年10月以来の低水準に落ち込み、設定・解約が拮抗した状況になっています。
世界の中央銀行が米ドルから「金」へシフトする構造的理由
短期のノイズに惑わされず資産防衛のヘッジ手段として付き合おう!
一方で、金には構造的な需要もあるため、長期的には強気な見方も多いようです。
この数年、多くの中央銀行は外貨準備を米ドル資産から金にシフトしています。これは金が特定の国の経済政策や政治体制に左右されない超国家的な資産であるためと言えるでしょう。例えば、中国では外貨準備として積極的に金の備蓄を行っています。一部の貿易相手国に対し、その収入の一部を人民元ではなく金に交換する選択肢を提供することで、独自の地金エコシステムを構築しています。こうした動きは短期的に変わるものではないと考えられます。
そういった意味では、世界の中央銀行や長期投資家は、今後も経済的および地政学的なショックに対するヘッジ手段として金を利用し続ける可能性が高いと見られます。一方で、国内投資信託市場における昨年からの金関連投信への資金流入の急加速と急減速は、短期的な値動きを捉える投資家の資金が含まれていると思われます。
金への投資を行う際には、短期の値動きに振り回されず、自分のポートフォリオにおける金の位置付けや時間軸を改めて考える必要があると言えそうです。
藤原延介(ふじわら・のぶゆき)●1998年三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社後、2001年ロイター・ジャパン(リッパー・ジャパン)、2007年ドイチェ・アセット・マネジメント、2019年アムンディ・ジャパンを経て、2021年にBNPパリバ・アセットマネジメントに入社。マーケティング部 部長。ドイチェAMでは資産運用研究所長を務めるなど、約25年に渡り資産運用や投資信託に関するリサーチや投資啓蒙に従事。慶応大学経済学部卒。
20年超にわたって投資信託動向を分析してきた藤原延介氏が、投資信託の最新動向やニュースを取り上げて、わかりやすく解説! 2024年から大幅拡大したNISAでは、投資信託での運用が不可欠に。でも「どうやって選べばいいの?」「組み合わせ方法は?」などわからない人も多いのでは? このコラムで投資信託の売れ筋やトレンドの変化をチェックすることで、投資信託の選び方や資産運用法などが見えてきます。
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<ダイヤモンドZAi NISA投信グランプリ2026>
[2026年]受賞投資信託28本一覧
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▼フレッシャー賞
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本記事は2026年6月13日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。






