長期金利3%の大台到達、2030年から財政は「金利>成長率」と債務膨張の“悪循環”入り!?Photo:SANKEI

長期金利3%でもまだ本当の問題は始まっていない
「時間差」で実効金利上昇の修羅場は数年先

 長期金利の指標である新発10年物国債の利回りが、9月1日、3.000%の「大台」をつけ、約30年ぶりの高水準となった。

 日本銀行が6月に政策金利を1%へ引き上げた後も、原油高や円安を背景とするインフレへの警戒は根強く、市場では9月にも追加利上げが行われるとの観測が長期金利を押し上げている。加えて、2027年度予算の各省の概算要求が140兆円余りに膨らむ見通しとなるなど、高市政権の積極財政路線に対する不安が高まっていることも、金利上昇が止まらない背景だ。

 現状では、これほど市場金利が上昇しているにもかかわらず、政府の利払い負担にはその影響がまだ前面には表れておらず、長期金利の上昇が財政運営に及ぼす影響はまだ深刻化していない。

 その理由は、市場で日々変動する国債金利と、政府が実際に負担する金利との間に時間差があるためだ。国債の多くは過去の低金利時に発行されており、満期を迎えた国債がより高い金利の国債へと順次借り換えられないと、政府債務全体にかかる平均的な金利である実効金利は上昇していかない。

 実際、25年度の10年国債金利は1.5%程度へ急上昇したにもかかわらず、実効金利は0.6%と低位にとどまった。

 従って、足元の金利上昇が日本の財政運営に強く影響してくるのは、高い金利で発行された国債が積み上がる数年先だ。

 そのとき、日本財政を長年支えてきた金利と経済成長の関係も、転換点を迎える可能性が高い。「金利>成長率」の経済に変わり、財政は債務膨張と利払いが雪だるま式に増えることになる。