米中首脳会談のトランプ大統領「取引」は台湾への武器供与棚上げ!?求心力回復に焦る対中外交で狙う“実利”Photo:Finn Gomez/gettyimages

9月24日にトランプ・習近平会談
求心力回復に「実利」得る取引狙う!?

 習近平中国国家主席が訪米し、ワシントンで9月24日にトランプ大統領と会談する。米中の間では今年5月のトランプ大統領の中国訪問に始まり、頻繁な首脳会談によって経済貿易問題にとどまらず、二大国間の関係を管理しようとしている。

「建設的な戦略的安定」の概念で一致していると伝えられる。ウクライナ戦争やイラン戦争、さらにはトランプ大統領の「アメリカ第一」に基づく傲慢で予測不可能な行動など、大国が世界の安定を乱している中で、米中関係が管理されていることは世界にとって数少ない良いニュースだ。

 しかし、一夜にして関係を損ねる波乱要因がないわけではない。今月の首脳会談では、米国側は、農産物やエネルギー、航空機などの大量購入を中国側に求め、また戦闘が長期化するイラン問題で、中国に停戦・和平で働きかけを求めたり、北朝鮮との金正恩労働党総書記との首脳会談の仲介を求めたりすると考えられる。

 一方で中国の米国への要求で最もプライオリティーが高いのは台湾への武器輸出の停止だ。

 中国は米国の台湾に対する140億ドルの武器輸出の実施を「レッドライン」と位置づけ、これが実施される場合には習近平国家主席の米国訪問は中止するとしている。訪米中止だけではなく、中国が台湾への軍事的攻勢を仕掛けるきっかけとなると威嚇する向きもある。

 トランプ大統領は共和党不利が予想される中間選挙に向け、習主席との首脳会談の成果を最大限活用したいと考えているだろうし、対台湾武器輸出は中国との取引の有力なカードと見なしているのだろう。

 重要なことは11月の中国・深圳でのAPEC首脳会談時にも米中首脳会談が想定されていることだ。今秋は米中関係だけでなく、国際秩序の当面の安定化を図る外交の季節になる。