AI投資への“依存度”高める世界経済の脆弱性、マクロ経済予測が問う「AI株価」の妥当性Photo:SOPA Images/gettyimages

AI投資ブーム頼みの世界経済
高い依存度と下振れリスクの大きさ

 世界経済が、トランプ関税、イラン紛争などの相次ぐショックにもかかわらず底堅い成長を続けられているのはAI投資ブームに依るところが大きい。

 今年上半期の世界貿易の前年比伸び率4.5%超の約半分は、AI投資ブームによる寄与だ。今年の世界GDP成長率は2%台半ばとトレンド成長率(2.9%)を大きく下回る見込みだが、0.3%ポイントはAIブームがもたらす消費と投資の押上げ効果によるものと推計されている。

 今年第2四半期の世界の投資は前年比2.7%伸びたが、AI関連の寄与度は1%ポイントに及ぶ。また、AIブームによる株価上昇に伴う資産効果は、米国を中心に世界の個人消費の伸びを0.2%ポイント程度押上げている。

 こうしたAIブームへの依存度の高さは、世界経済の潜在的な脆弱性の大きさも示している。AIの恩恵が大きく、他国に比べ高めの成長率を誇る米国でも、AI関連以外の経済活動には勢いがないのが実情だ。

 年率約3%ペースで成長する米国の投資も、AI関連の寄与を除くと約2%縮小していた計算となる。その他G7諸国では、AI関連投資の伸びはずっと鈍く、投資全体の成長率はゼロに近い。米国経済を支える個人消費も、株高による資産効果を享受する富裕層頼みの状況だ。

 こうした中、頼みの綱のAI投資の持続性について金融市場では懸念が高まっている。AI投資ブームへの依存度が高い分、それが何かを契機に腰折れした際の世界経済にとっての下振れリスクも甚大だ。