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企業が1990年代以来の「資金不足」へ
サプライチェーンの再構築で国内投資が活性化
1990年代後半以降の日本では、企業部門が長らく資金余剰(カネ余り)の代表的存在だった。しかし、その構図が足元で変わりつつある。
背景にあるのは、近年の世界的なサプライチェーンの再構築だ。国際紛争やコロナ禍に加えて、資源の輸出管理強化などのいわゆる「経済の武器化」の影響もあり、企業はコストの低さだけでなく、供給の継続性やショックに対する強靭(きょうじん)性を重視してサプライチェーンを見直すようになった。
実際、日本でも2010年代後半以降、製造業を中心に国内生産拠点を強化する姿勢が続いている。高市政権が掲げる「危機管理投資・成長投資」は、まさにそうした企業の姿勢とも合致するものだ。
17の戦略分野に向けた出資・補助金や、幅広い産業を対象とする「大胆な投資促進税制」は、うまくいけば、国内投資促進の呼び水になり、企業の行動変化をサポートして、今後の国内設備投資を押し上げる要因になると考えられる。
企業の国内設備投資が再び活発化していくと、その裏側にあるマネーの流れも変化する可能性が高い。今すぐにではないにせよ、過去30年間にわたって続いてきた企業の資金余剰が、将来的に資金不足へと再転換するシナリオが見えてきた。
これは、日本経済が長い停滞から脱却する前向きな構造変化といえる。ただ一方で、そうしたマネーフローの歴史的な転換で生じる新たな課題にも、対応が必要だ。







