金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?#27Photo:JIJI

日本銀行は17日、18日の金融政策決定会合で利上げに踏み切るとみられ、今後も利上げが継続されるとみる向きは多い。原油価格上昇、財政懸念から長期金利も上昇傾向が続いている。FRB(米連邦準備制度理事会)も16日に3年2カ月ぶりに政策金利を引き上げた。金利上昇は企業にとって新たな収益圧迫要因となる。特集『金利上昇「衝撃度」ランキング!【26業界】苦しくなる企業はどこ?』の最終回では、2年以内に返済・償還を迎える有利子負債に着目し、金利上昇が企業の利益をどこまで圧迫するかを全業界を対象に検証した。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

借金の多さだけでは決まらない
金利上昇で利益が削られる企業

 2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除して以降、日本にも「金利のある世界」が戻ってきた。

 日銀は9月17、18日に開く金融政策決定会合で、政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げることが有力視されている。その後も物価動向などをにらみながら利上げを続けるとの見方があり、政策金利が最終的に1.75%程度まで上昇すると予想する向きもある。

 長期金利も大きく上昇している。9月1日には、長期金利の指標となる新発10年国債利回りが一時3.005%まで上昇し、1996年9月以来、約30年ぶりの高水準を付けた。

 日銀の追加利上げ観測に加え、27年度一般会計予算の概算要求額が約143.1兆円と過去最大となったことなどを背景に、財政への警戒が強まったことも国債売りの材料となった。

 海外に事業拠点を持つ企業にとっては、日本の金利だけが問題ではない。現地金融機関からの借り入れや外貨建てで資金を調達している企業は、海外の金利上昇の影響も受ける。

 海外の主要国の金利も上昇している。FRB(米連邦準備制度理事会)は9月15~16日に開催したFOMC(米連邦公開市場委員会)で、インフレ抑制のため0.25%ポイントの利上げを決定した。利上げは2023年7月以来、3年2カ月ぶりで、政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標は3.75~4.00%となった。

 原油価格の高騰によるインフレ懸念に加え、米国の財政に対する警戒も強まっている。米国の代表的な長期金利指標である10年国債利回りは9月15日に一時5.041%まで上昇し、07年以来、約19年ぶりの高水準を付けた。

 ECB(欧州中央銀行)も、中東情勢に伴うエネルギー価格上昇などによるインフレ圧力に対応するため、6月に政策金利を0.25%ポイント引き上げた。7月は据え置いたものの、9月には再び0.25%ポイントの利上げに踏み切った。

 こうした世界的な金利上昇は、企業の利払い負担を増加させる。ただし、その影響の大きさは企業によって大きく異なる。

 重要なのが、借入金や社債の返済・償還時期である。

 既存の借入金や社債が固定金利であれば、市場金利が上昇しても直ちに利払い費が増えるわけではない。返済・償還期限を迎え、より高い金利で借り換える段階で影響が本格化する。

 このため、有利子負債が多額でも返済・償還時期が数年先であれば、当面の影響は限定される。逆に、有利子負債の総額がそれほど大きくなくても、近い将来に多額の返済・償還を控えていれば、借換金利の上昇による打撃は大きくなり得る。

 そこで今回、決算期末から2年以内に返済・償還予定の有利子負債を対象に、借換金利が1%上昇した場合の利払い負担増加額を試算した。さらに、その金額が直近3期の平均営業利益の何パーセントに相当するかを算出し、利益への圧迫度を示す「金利上昇衝撃度」としてランキングを作成した。

 次ページでは、全業界を対象としたランキングを基に、金利上昇が利益に大きな打撃を与える可能性がある企業の顔触れを詳しく見ていく。