持続可能な関係を築くための原則――「急がば回れ」と「多様な居場所」
アルムナイとの関係構築に取り組むうえで、私が繰り返しお伝えしてきた最重要キーワードが「急がば回れ」です。
短期的な再雇用数などの成果だけを焦ると、取り組みは長続きしません。アルムナイには「すぐに戻りたい人」「戻る気はないが協業したい人」「緩やかな近況報告だけを楽しみたい人」など、三者三様のニーズがあります。そのため、ネットワークを一部の人のためではなく、「すべての人にとって、居る理由と目的がある場所(There is something for everyone)」にすることが不可欠です(第7回)。
また、連載第14回で解説したアルムナイイベントのように、デジタルでの日常的なつながり(日常)と、対面でのイベント(非日常)を組み合わせる際には、在籍時の記憶を呼び起こす「懐かしさ」と、お互いの進化を感じる「新鮮さ」、そして、企業独自の「儀式(リチュアル)」を意識することが、長期的な信頼の再構築につながります。
企業とアルムナイの関係構築は、一度途切れた縁を再び結び直す“長期的なジャーニー”です。遠回りに見えても、丁寧に関係を育む「急がば回れ」の姿勢こそが、結果として最大の成果をもたらしてくれます。







