
「人的資本経営」のキーワードとして「アルムナイ」が注目されている。企業が自社の退職者である「アルムナイ」とどのような関係(アルムナイ・リレーションシップ)を築いていくかは、人材の流動性が高まっている時代で重要だ。さまざまなメディアからの出演依頼が続き、著書『アルムナイ 雇用を超えたつながりが生み出す新たな価値』(日本能率協会マネジメントセンター)も多くの読者に読まれている、「アルムナイ」知見についての第一人者・鈴木仁志さん(株式会社ハッカズーク代表取締役CEO兼アルムナイ研究所研究員)の「HRオンライン」連載=「アルムナイを考える」――その第15回(最終回)をお届けする。(ダイヤモンド社 人材開発編集部)
>>連載第1回 「退職したら関係ない!」はあり得ない――適切な「辞められ方」「辞め方」を考える
>>連載第2回 誰もが明日から実践できる「辞め方改革」が、あなたと企業を幸せにする理由
>>連載第3回 「辞め方」と「辞められ方」――プロサッカークラブに見る“アルムナイ”の大切さ
>>連載第4回 “出戻り社員”が、会社と本人を幸せにする理由と、お互いが成功する方法
>>連載第5回 内定辞退者や早期退職者に対する“負の感情”が減る「辞め方改革」とは?
>>連載第6回 「急がば回れ」の姿勢が、“アルムナイ採用”をしっかり成功させていく
>>連載第7回 「アルムナイ」の広がりに伴う“さまざまな声”について、私がいま思うこと
>>連載第8回 いま、このタイミングで、“アルムナイ”の書籍を執筆して気づいたこと
>>連載第9回 メンバーシップ型の日本企業こそ、アルムナイ・リレーションシップをつくる意味がある
>>連載第10回 目的が「再雇用だけ」ではNG!――人事部からアルムナイへのアプローチ方法は?
>>連載第11回 「退職者インタビュー」の重要性とは?辞めた人の声があなたの組織を変えていく
>>連載第12回 「Buy (採用)」「Build (育成)」とともに必要な、アルムナイの「Borrow(借りる)」
>>連載第13回 アルムナイに地域特性はあるのか?関西エリアでのアルムナイの現状
>>連載第14回 多くの企業が開催する“アルムナイイベント”――その成功方法は何か?
連載開始から6年間での「アルムナイ」を巡る景色の変化
2022年6月、「HRオンライン(ダイヤモンド・オンライン)」で本連載『アルムナイを考える』をスタートしてから4年。第15回となる本稿で最終回を迎えることになりました。
私が株式会社ハッカズークを設立した2017年当時、「アルムナイ」という言葉は社会にほとんど浸透しておらず、企業の方にお話ししても「アムナイル? EXILEか何か?」と笑われたり、「在る(アル)の? 無い(ナイ)の? どっちなの?」と冗談交じりに返されたりするのが日常茶飯事でした。本連載をスタートした2022年時点でも、多くの企業において、退職とは依然として「関係の終わり」であり、時には「裏切り行為」や「単なる損失」として感情的に捉えられがちでした。
しかし、この数年で日本社会の景色は一変しました。人的資本経営への関心の高まりや雇用の流動化の波に乗って、「アルムナイ」という言葉はビジネス誌だけでなく、テレビや新聞でも当たり前に使われるようになりました。2024年には、著書『アルムナイ 雇用を超えたつながりが生み出す新たな価値』(日本能率協会マネジメントセンター)の出版、2025年には関西拠点の開設、そして、毎年多くの企業でのアルムナイイベントの盛り上がりや、企業とアルムナイの様々な形でのパートナーシップなど、私自身も現場で大きなモメンタムを肌で感じてきました。
最終回となる今回は、これまでの全14回で私が一貫してお伝えしてきた事例やメッセージを振り返りながら、これからの日本社会におけるアルムナイ・リレーションシップの未来についてお話ししたいと思います。
鈴木仁志さんは、内定者フォローツール「フレッシャーズ・コース2027」の『“キャリア”って何だろう?』コーナーも執筆している。







