「間違った問いに正しい答えを出す」という
致命的な落とし穴
管理職にとって最大の落とし穴は、「間違った問いに正しい答えを出してしまう」ことです。
「どうすればやる気を出してくれるか?」という問いに対しては、仕事の意義を伝える、達成感を持たせる、成果を認めるなど、さまざまな解決策が考えられます。いずれも、部下の動機づけを高めるための方法としては一理あります。
しかし、管理職であれば、個別の事象をきっかけとして、常にチーム全体に目を配ることが大切です。そういえば、疲れている様子のメンバーが他にもいます。業績の伸びも、ひところの勢いがありません。
そうであれば、ここで立てるべき問いは「チームに何が起きているか?」です。
あらためてメンバーに話を聞いたところ、次のことがわかりました。Bさんは、ある特定顧客からの過剰な要求への対応に時間を割かれ、他の顧客への対応がおざなりになっている。しかも、他にも同じような問題を抱えているメンバーが数人いる。
Bさん個人の問題だと思っていたことが、実はチーム全体に関わる問題だったのです。もちろん、対応すべきはチーム内に生じている業務の偏りの是正です。
「Bさんのやる気」という間違った問いに対して、正しい答えを出して時間を費やしているうちに、チーム全体の状況が悪化していく恐れがあったのです。
生成AIも、与えられた問いに対しては、瞬時に、さまざまな答えを提示してくれます。問いそのものを考えることもできます。しかし、その問いが本当に解決すべき問題を捉えているかどうかは別の話です。







