現場と組織全体を見渡せる管理職ならではの強み

 では、正しい問いを立てるためには、何が必要なのでしょうか。

 それは、現場の実態を正しく理解すると同時に、視座を高めて全体を見渡すことです。

 現場で起きている事象を正確に把握した上で、「その背後にどのような構造が隠れているのか?」「個人だけの問題なのか、組織に共通する問題なのか?」「部分最適化か、全体最適化か?」など、ものごとを俯瞰して捉えることです。

 目先の問題を解決しようとすることが、必ずしも組織全体にとっての最適解になるとは限りません。

 現場を正しく理解し、組織最適化の視点で問題を正しく定義する――これは、現場と組織全体の両方を見渡せる立場にある、中間管理職だからこそ発揮できる強みです。同時に、これからの管理職の価値を左右するものでもあります。

 ここで紹介した山本さんは、最終的に社長に就任しました。そのころには、全社員が「さん付け」で呼び合う会社になっていたそうです。