e-4ORCEは「雪の日の四駆」だけじゃない
エルグランドに搭載されるシステムは、四輪駆動の「e-4ORCE」。前後の車輪をそれぞれのモーターで回す仕掛けには、首都高のような道でこそありがたい使い道がある。
例えば首都高大橋JCT。1周約400mのループが2周も続く渦巻き上り坂。アクセルの踏み加減はそのままに、ハンドルだけを少し切り足したとする。前輪は舵角に応じて、より大きく進路を変えようとする。当然その分だけ負担が増える。そこで日産の電動四輪駆動「e-4ORCE」は、舵角や走行状態を読みつつ後輪モーターのトルクを増減し、前輪が向きを作る仕事を後輪側でも“分担”する。ドライバーがアクセルで踏み増さなくても、車体は狙った向きにスムーズに立ち上がっていくのである。これがスパッと決まって実に気持ちが良い。雪の日を待つまでもなく、乾いた首都高でも四駆の出番はいくらでもあるのだ。
新型エルグランドの車体の床下 Photo by F.Y.
全長もホイールベースも同じ、でも足元の造りは大きく違う
諸元表を開くと、エルグランドとアルファードは全長が揃って4995mm、ホイールベースも揃って3000mmである。いや偶然ですなぁ。だが足元の造りは大きく違う。
トヨタはGA-Kなる車台をミニバン用に仕立て、車体後部の床下にV字型の補強を入れている。日産は先代の車台に大幅に手を入れ、前後の駆動力に加えて、四輪それぞれのダンパーの減衰力も走行中に変えている。
エルグランドのサスペンション周り Photo by F.Y.
エルグランドGの車重は2440kg。これだけ重量があるクルマが、止まるたび、曲がるたびに、キチンと落ち着いているかどうか。動き出した後、減速して姿勢が移り、ハンドルを切って荷重が移る。その一連の“揺れの落ち着き”まで、どれだけ素直に造れているかが問われるのだ。特に後部座席に座った人の頭の動きをどう収めるか。その仕上がりこそが「高級ミニバン」の値打ちではあるまいか。







