日本経済の回復を示唆する景気指標の発表が相次いでいる。9月の消費者態度指数は4カ月ぶりに改善した。アベノミクス期待で株価がピークをつけた5月以来の水準を一気に回復した。暮らし向き、収入の増え方、雇用環境、耐久消費財の買い時判断と、4項目すべてが改善している。

 9月の景気ウォッチャー調査も6カ月ぶりに改善。住宅、自動車、高額品の販売が好調だった。同調査では建設業を中心に雇用の改善が見られ、政策効果やオリンピック需要への期待などから受注・生産も増加し始めている。

 さらに8月の機械受注統計では、設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」が2008年9月以来の高水準を回復。東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の9月末のオフィス空室率も3年10カ月ぶりに8%を割るなど、個人部門の回復が企業部門の回復へと広がり始めたことがうかがえる。

 その原動力は何といっても株価の上昇だろう。年初来の株価動向を見ると、新興企業株が取引される東証マザーズやジャスダックの上昇率が、大型主力株で構成される日経平均株価の上昇率を大きく上回っている。外国人投資家以上に、国内個人投資家が大きな恩恵を受けている可能性が高い。