マイナスの感情を受け入れる
本番で実力の100%を発揮させる思考法

 最後に、実力を100%発揮できる人の思考法と、できない人の思考法の違いを具体的に見てみましょう。

・本番で実力の100%を発揮できない人の思考法
 プレゼンや面接前にテンションが上がる音楽などを聴いて「よし!大丈夫俺はできる!」と自分に言い聞かせて挑んだが、実際にはじまってみると緊張してうまく話せずに終わってしまい後で後悔する。

スポーツ選手のメンタルトレーナーの枠を超え、現在は企業・教育分野など幅広い分野に活動を広げています(写真は墨田区私立幼稚園連合会保護者研鑽会の模様)。

 これは、本当は緊張しているのにマイナスの感情を感じてしまうと自分の力を発揮することができないという恐怖心から感情にフタをしてマイナスの感情を見ないようにしています。そして、テンションを上げて無理矢理前向きになることで自分の感情と向き合わずに問題を解決しようとします。実際には本番中に無意識にある緊張や恐怖が押さえられなくなり失敗してしまうということが起こっています。

・本番で実力の100%発揮できる人の思考法
 プレゼンや面接の前に自分がどんな感情を持っているのかに意識を向けます、その感情をいいものとも悪いものとも評価しないようにします。緊張していれば、「緊張してるな~」ここから先は何も考える必要がありません。自分なりに緊張していても力を発揮できる状態をつくればいいのです。マイナスの感情を感じていてもマイナスの感情を受け入れ、感情と思考を一致させた状態でプレッシャーのかかる行動をすることにより本来持っている実力を発揮することができるようになります。

 人はプレッシャーを感じたときに、「楽になることがゴールになってしまう」ことがあります。ゴールは楽になることではなく、あくまでも成功させ結果を出すことなのでゴールをすり変えないようにすることが大切です。

※本記事は森川陽太郎さん著の書籍『「いつもの自分」トレーニング』から抜粋、改稿したものです。
 


◇書籍のご紹介
本番で実力が出せない人のための「いつもの自分」トレーニング』

「いつもできることをそのままやればいいのに、大事なときに限ってうまくいかない…」そんな悩みは簡単なトレーニングで解決できる!プロスポーツ選手のメンタルトレーナーを数多く務める著者が編み出した、身近なものですぐに効果を発揮するセルフトレーニング50。

森川陽太郎 著

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