2014年は脱「失われた3年、7年、20年」の
ゴールデンサイクル
今年、2014年の日本経済については、4月以降の消費税引き上げに伴う減速もあることから、市場では先行きに警戒を示す見方も多い。我々も消費税引き上げに伴う減速は不可避と見るものの、その後再び緩やかな回復を展望する。
それは、今年は過去の3つの大きな足枷からの正常化の基調にあると位置づけるからだ。2014年は、脱「失われた3年」、脱「失われた7年」、脱「失われた20年」の3つがそろうゴールデンサイクルのような局面にあるからで、以上の内外の正常化バイアスで相応の回復が展望できると考えるからだ。本日は、以上の3要因を改めて指摘して、筆者のストーリーラインを示したい。
①脱「失われた3年」
まず、日本の株式市場の脱「失われた3年」である。ここで、下記の図表1は過去15年にわたる日米独株価指数の推移であり、日米欧の連動が途切れた2009年9月以降の「失われた3年」からの呪縛からの解放だけでも、日本の株式市場に大きな変化が生じ得ると考えてきた。
図表1で斜線の面積は、海外投資家を中心にインデックス対比で大幅なアンダーウェイトの金額を意味する。過去1年の日本の株高は急な回復ではあったものの、過去の米独との乖離から見れば、依然として修正されていない。
仮に、日本株が2009年までの海外との連動ペースに戻れば、今日の日経平均の水準は図表1に示されるように1万8000円近い水準になり、日本の市場参加者が当初想定していた水準よりも日本株が上昇する可能性もあると、この1年あまり考えてきた。