脳の法則2:脳は成功指向のメカニズムである

 目標を立てると、あなたの脳は意識的あるいは無意識的に、成功に役立つ方向へとあなたの思考プロセスを導く。組織の目標がより明確で一貫性を持って定義されていれば、現場チームがその目標に到達するための行動を起こしやすい。望ましい結果を視覚化するなど細部まで具体的に描くことが大切だ。そうしておけば、後から進捗状況を確認する時に自分の位置がよくわかる。

 成功するための道具として、目標を書いておくことの重要性については何度も耳にしているだろう。目標を書いておくことは、なぜ重要なのだろうか。

 目標を書き留めて、後から読み返すという行為がそのメッセージを明確化して強調する。これを時々見直すという意識的な行為と組み合わせると、焦点がはっきりするのだ。

 脳の働きを最適化するには、明確に定義された最終結果と進捗状況を確認するための基準を脳に提供する必要がある。仕事のプロジェクトで時間的な優先順位をつける時には、あなたの目標を書きとめるための時間を必ずとるようにしよう。それが成果を大きく左右するからだ。できれば、完成品の出来ばえについてイメージしておこう。

脳の法則3:脳は行動を完璧に真似る能力がある

 脳にとって最もよい学び方は他人を真似ることだ。脳は優れた人を真似することによって新しいスキルをすばやく習得する能力があり、他の人を研究して真似ることは既存のスキルを向上させることにも役立つ。知識を測定するために試験を受けている時でなければ、人を真似ても問題ない。この脳の法則がもたらす優位性を利用せずに学ぼうとするのは、非生産的である。

 幼い子どもたちが話すことを学ぼうとしている時、親から次のように言われたらどうだろうか。「ママが今言った言葉を真似しないで。それはずるいことだから。自分自身の言葉を作りなさい!」

 この脳の法則がどう働くかを観察するために、新しいスキルを学ぼうとしている幼い子どもを観察してみよう。子どもたちはお手本を熱心に観察し、お手本と全く同じようにその行動を真似しようとする。この能力と脳の法則7(根気よさ)を使い、幼い子どもたちはやり方をよく観察して真似ることによって、新しいスキルをすばやく身につけるのだ。