しかしみんなが関心をもってやりたいといっているので、学校そのものに話しにいった。公立は難しいから、私立の学校に。カリキュラムの提供を主体として、インスクールで授業の一コマとして、我々でいうSTEM教室をやりだした。

 今インドではロボットが大変人気があって、ロボットの作り方を教えるロボティクスの教室はたくさんある。我々はロボットを教材として使って科学技術の知識を現実のなかで活用する方法を教えています。

――もともとインドは理系教育に熱心で、アメリカの大手企業の経営者にはインド工科大学出身者が多数いる。そのなかで受け入れられているのは価値がある。

 インドの人たちは新しいテクノロジーを勉強したいという熱意がすごい。特に日本はハイテクで精確というイメージが浸透している。その象徴が新幹線。運行中いろんなことがあるのに、時間通りに来て、正しい場所にぴたりと止まる。ロボット技術への評価も高いので関心をもたれている。

 いろいろとアンバランスな国で、とんでもない金持ちもいれば、裸足で学校に来るような子供たちもたくさんいる。交通ルールもあまり守られていない。しかし、私は終戦直後の生まれで、ずっとアンバランスな日本を見てきました。かつての日本も同じでした。

 インドもキャッチアップをしようという熱意は強いから、教育によってそれが加速すれば、いずれはバランスも安定し国家としての融合も進むでしょう。そうなるとすごい国になるでしょうね。ビジネスの公用語が英語の分、中国より期待できる。いずれはヨーロッパ全体に匹敵する国になるでしょう。

電気が使えない教室、ガラスのはまってない窓

――実際にインドで教育事業を幅広く展開していると、いろいろと想定外な問題も出てくるのでは。

 パソコンを使うのに、学校の電気を使われたら困るだとか、窓にガラスがはまっていないので、雨が吹き込んでくるけどだめですかとか、そういうことを言う学校はいっぱいありますね。

 現実の問題解決を教えるのがSTEM教育なので、我々自身も問題解決志向でやっていってます。

 教材を売ったり、カリキュラムだけを売って、その学校の先生にやり方を教えると、勝手にやられてしまったり、やめて独立して始められたり、ということは過去苦い経験をしてきた。なので、お金も手間も大変だけど、我々がカリキュラムをトレーニングした講師を学校に派遣し、教材・パソコンは学校に貸し与えているというやり方をしています。

 また学校によってカリキュラムをモディファイする必要がある。STEMは学校の補講のような位置づけなので、教科の進み方に合っていないといけない。ところが学校によっては、たとえば円周率をいつ教えるのかは違っていたりする。だから学校のシラバスを見ながら、モディファイしなければいけない。対応したカリキュラムをいっぱい作らないといけないのが悩みです。