業種・職種を問わず、一つ屋根の下で仕事空間を共有するシェアオフィス。フリーランスやノマド、コワーキングといった働き方の多様性を背景として、都市部を中心に増加している。
ひと言でシェアオフィスといっても、タイプによってコストや立地、利用形態が異なる。利用者が専用の個室を確保する「専用型」、オープンスペースを会員同士で利用する「共有型」、さらには「ビジネスサポート型」や「インキュベーション型」など、利用目的に則した機能性の高さを打ち出すシェアオフィスもある。
2012年12月にオープンした「NAGAYA AOYAMA」は、シェアオフィスの会員同士でアイデアを交換したり、刺激し合える環境作りを目指した、多世代型シェアオフィスだ。“NAGAYA”と名付けたのは、江戸時代の長屋のように会員が井戸端会議に花を咲かせ、お互いの“ちょっとしたおせっかい”をビジネスの種にしてほしいという想いから。NAGAYA PROJECT代表で、同オフィスマネージャーの田口歩さんにお話を伺った。
利用者の年齢は20~70代
業種も多岐にわたる”長屋暮らし”
「シェアオフィスというと、“30代・40代のクリエイティブ系”といったように同世代・同業種で集まるイメージがあるかもしれませんが、SNSの普及などによって幅広い年齢層の方にもその存在を知っていただけるようになりました。シェアオフィスを利用するメリットの一つに“多業種・他業種の人との出会い”があります。それを横軸とすれば多世代は縦軸。私たちが生きるこの時代を多角的にとらえ、世代を超えて得られる知識や経験をビジネスに活かしていただきたいとの思いを込めて、『長屋』をコンセプトに掲げたのです」(田口さん)