どうしても休めない商談の日の朝、子どもがよりによって高熱を出す。夫は毎日終電まで残業で頼めないし、夫婦ともに関西出身で、頼れる親戚は首都圏にはいない――。

 フルタイムで働く女性にとって、それは悪夢のようでありながら、いつ発生しても不思議ではない緊急事態だ。そんな時、焦るあまりにネット上で探した格安託児所に我が子を預けたなら、埼玉県で起きた痛ましい2歳男児死亡事件のようなことになってしまうのでは……と不安に駆られる人も少なくないはずだ。

大手業者も自治体サービスも一長一短

 緊急で子どもを預けたい場合に、まず選択肢となるのが大手ベビーシッター業者だ。たとえば「ポピンズ」の場合、365日24時間OKで、当日のオーダーにも100%対応を謳う。ただし料金は高額で、トライアル利用でも1時間当たり3000円/時間+交通費1000円がかかる。

 公的制度も存在する。親が仕事や病気の際に児童養護施設や乳児院で深夜まで預かってくれる「トワイライトステイ」、認可保育園などでの「一時保育」、子どもを預けたい会員と預かる会員を引き合わせる「ファミリーサポートセンター制度」などが受け皿となりうるが、制度の有無や名称が自治体ごとにまちまちだし、施設数が人口比で少なすぎたり、事前の申し込みが必要だったり、窓口が見つけにくかったりして、使い勝手が悪い。さらに、子どもが病気の場合は受け入れてもらえない場合もある。

 そんなニーズとサービスのミスマッチへの埋め合わせとなるのが、近所の母親同士の助け合いだ。しかし、長屋で味噌の貸し借りをしていた昔のような濃厚な近所づきあいはもはや望めない。そこでインターネットの力を借りることで、地域コミュニティによる昔ながらの共助を実現したのが、AsMamaによる「子育てシェア」だ。