ひとり親の孤立と貧困が問題になりつつある。総務省統計研修所の2012年発表によれば、2000年に86.8万人だったシングルマザーの数は2005年に107.2万人に増加。2010年には108.2万人となった。今年1月に放送されたNHKクローズアップ現代では「あしたが見えない~深刻化する“若年女性”の貧困~」という特集が放送され、このなかでも貧困から風俗に勤務するシングルマザーの姿が紹介された。
ひとり親家庭に対する援助を求める声もあるが、一方ですでにある公的援助が知られていない実態もあるようだ。
ひとり親家庭支援センター
「はあと」とは?
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東京都の福祉保健局が行った「ひとり親家庭に対する意識」についてのアンケート調査(※)によれば、東京都が行っているひとり親家庭支援センター「はあと」を「知っている」と答えた人はわずか6.2%。「聞いたことはあるが、詳しい支援内容を知らない」は23.6%で、「知らない」と答えた人が70.3%と大半だった。
また、区市町村窓口に母子家庭・父子家庭などからの相談に応じる「母子自立支援員」が配置されていることについても、「知っていた」と答えた人は19.5%、「聞いたことがあるが、詳しい職務内容は知らなかった」が27.2%、「知らなかった」が53.3%だった。
「はあと」は「(H)ひとり親家庭が(A)安心して(A)明日に向かう(T)東京」をコンセプトとしており、就業・子育て・人間関係についてなど相談を行うほか、定期的にひとり親たちが集まるイベントも開催している。東京都内にある母子会や寡婦会といったコミュニティの紹介もあり、ひとり親を孤立させないための「仲間づくり」の場についても情報を提供している。
(※)3月6日正午~14日正午まで実施。インターネット調査。モ ニター数301人、有効回答数195人。アンケートのうち、「自分が現在ひとり親家庭の親である、または過去にひとり親家庭の親であった」「自分が現在ひ とり親家庭の子である、または過去にひとり親家庭の子であった」と答えた人はそれぞれ5.1%。