経営 × オフィス

メリットは多いのに、
なぜ、女性テレワーカーは増えないのか?
――調査結果から見えてくる意外な現状と課題

河合起季
【第5回】 2014年7月25日
previous page
3
nextpage

 ただ、それが精神的に苦痛と感じるワーカーもいるようです。逆に、企画や営業の場合は、時間管理を厳密にやるよりは自己申告のほうが働きやすい。

 企業の思惑と実際のワーカーの働きやすさのバランスがうまくとれればいいのですが、テレワーク制度となったとたんに、そういう時間管理をきちんとしなければならないという話になって導入できなくなってしまう、あるいは導入してもワーカーが使わない、使えない制度になってしまうこともあるようです」

 分科会でも、テレワークで働くことで、過重労働になったりサービス残業が増えたりすることを心配する声も多く挙がったという。そのためか、テレワークが認められるのは管理職以上とする企業が多い。

 「ワーカーにもいろいろなタイプ、レベルの方がいます。たとえば、働いた時間に関係なく成果に対して賃金が支払われるホワイトカラー・エグゼンプションなら問題ないでしょう。時間管理や残業は関係ありませんから。

 しかし、女性の働き方という視点で考えると、雇用形態が大きな障壁となっています。年齢別にみると、20代は87%が正社員ですが、50代になると61%まで下がり、とくにパートタイム労働者が増えます。非正規雇用者はテレワークの実施率がとても低いのですが、この層に女性が多いことが、女性にテレワークが普及しない大きな要因だと思います」(川上研究員)

 また、非正規雇用者の場合、セキュリティの問題から、社内ネットワークへのアクセスを制限している企業が多いこともテレワークが進まない理由だ。

 子育てや介護をしながらテレワークを活用してもっと働きたいと思っても、非正規雇用者の場合、仕事を増やせないという矛盾を抱えている。

 20代は87%が正社員だが、管理職になるまでテレワークを使えないとすると、子育ての時期にテレワークが活用できるのか、という疑問もわく。20代の女性の多くが正社員を辞めてしまったら、今後も女性のテレワークは普及しないのではないだろうか。

自分のPCやスマホでは
クオリティの高い仕事はしづらい!?

 私物のITツールで仕事をすることに制約が多いと感じているテレワーカーが多いことも明らかになった。

 アンケート結果では、テレワーク用の指定を受けた携帯電話やスマホで仕事のメールや電話をする頻度は「ほとんど毎日」が54.5%。同じくテレワーク用の指定を受けたタブレットやパソコンで仕事の作業をする頻度は「ほとんど毎日」が39.1%。

 これに対して、私物の携帯電話やスマホで仕事のメールや電話をする頻度は「たまに」が55.5%。私物のタブレットやパソコンで仕事の作業をする頻度は「たまに」が55.3%と、私物は使う頻度は大幅に下がる。

previous page
3
nextpage

「経営×オフィス」を知る ワークスタイルで変わるオフィスとは?

  • ワークスタイルの変革とオフィスの変化
  • 創造性を育む「クリエイティブ・オフィス」の作り方
  • 快適性×オフィス=社員が変わる
  • 快適性×オフィス=社員が変わる
  • 快適性×オフィス=社員が変わる
  • 働き方の多様化が進むほどオフィスの役割は重要になる 新しいワークスタイルとオフィスの進化

OFFICE TOPICS 働く場所・働き方・働く人

「経営×オフィス」を見る 理想のオフィスのつくり方

 

「働き方」という経営問題―The Future of Work―

人口減少による働き手の不足と経済・社会のグローバル化が、企業経営を取りまく大問題となっている。そのなかで、企業が競争優位性を築くためのキーワードとして浮上しているのが「ワークスタイル変革」だ。識者への取材や企業事例の紹介を通じて、すべての企業と働く人に問われている「働き方」の課題を明らかにしていく。

「「働き方」という経営問題―The Future of Work―」

⇒バックナンバー一覧