ドラッカーが提唱したといわれる「パラレルキャリア」。本業に邁進しながら、それとは別にNPOや特定のコミュニティでの活動に参加して、両者の相乗効果に生きがいを実感できるワークスタイルが若年世代を中心に広まっている。自らもパラレルキャリアを実践する小関貴志氏に、時間という資源を大事に使うその働き方について聞いた。

あなたへの3つの質問

ドラッカーも提唱した!?<br />「パラレルキャリア」のすすめ小関貴志(おぜき・たかし)
マルケト バイスプレジデント 戦略・ビジネス開発担当

1971年東京都生まれ。1994年中央大学経済学部卒業、日本電気入社。システム営業に従事。その後デル、セールスフォース・ドットコムでインサイドセールス、セールス、オンラインマーケティング、営業教育部門のマネジメントを歴任。2014年6月より現職。日本社会の活性化に貢献したいという想いからGAISHIKEI LEADERSのメンバーとして活躍する。2014年4月よりNPO法人EPOWER 共同代表を務め、社会起業家のマーケティング・営業強化を支援してビジネスパーソンとのかけ橋となる活動を推進する「パラレルキャリア」を実践中。

「今の働き方を何歳まで続けますか?」

 こう聞かれ即答できる方はいるでしょうか。

 ここで問う「今の働き方」は、「現在所属している企業・団体」に限定したものではなく、働き方のスタイルのことです。大企業で働く方もいれば個人事業主として働く方もいるでしょうし、日本企業で働く方もいれば、外資系企業で働く方もいると思います。

 そこでの働き方(現状)に満足している方もそうでない方も、職業、年齢、性別などにかかわらず、自問自答するテーマとして、この問いを考えてみてください。これが私からみなさんへの最初の問いです。

「今の仕事に誇りを持っていますか?」

 これが2つめの質問です。

 もちろんみなさんは、今の仕事にやり甲斐を感じているからこそ、続けているのだと思います。職場で先陣を切って活躍し、高く評価されている方も多いことでしょう。ところがそういう方こそ、自社と自身の仕事を過小評価しているようです。やり甲斐はあるものの、自分が他人の役に立っていると実感できず、有能であるという自覚がない方がおおいのではないでしょうか。

 そして最後の質問です。「仕事以外の世界は充実していますか?」

 趣味、勉強、社会貢献、友人・知人との語らいなど、仕事に関係しない世界を持つことで充実したライフスタイルを送る方が多いでことしょう。その一方で、仕事が忙しくなると、そういう時間を作れなくなるという事実もあります。気が付くと自宅と会社の往復で、たまに同僚と飲みに行く程度という日常に、もう一つ充足感を感じられない方も少なくないはずです。

 これら3つの問いに対し、自信を持って答えることができるようになる。それが、「パラレルキャリア」です。