Adobeがマーケターを対象に実施した調査(Digital Trends for 2014、下図)ではB2Bマーケターの多くが最重要課題にコンテンツマーケティングの充実を挙げている。B2Bのような限られた顧客に対して深い関係を持つべき領域でこそ、コンテンツマーケティングがその力を発揮することの証左と言える。ここで、ケースから得られた示唆を踏まえて、「日本ブランド」が、コンテンツをブランディングに活用するための3つの要諦を提示したい。

「日本ブランド」は顧客との絆を築けているか?<br />――グローバルに向けたコンテンツマーケティング戦略

 ①コンテンツを届けるターゲットを明確にする

 情報接触の選択肢が無数にある現在、顧客は、複数の多様な情報と出合いたいのではなく、自分に、あるいは自社に役立つ、そして魅力を感じる情報を探し求めている。顧客は1対1の情報を欲しているのだ。したがって、企業側は、特定のターゲットに対し、自分たちのブランド(人格)が、どのように役立ち、どのように魅力的なのかを伝えていくことが重要なポイントとなる。したがって「日本ブランド」が、今なすべきことの第一歩は、誰に対して、コンテンツを届けるのかという方針を明確にすることだ。日産GT-Rは、ファンや顧客という “濃い”顧客をターゲットとし、商品そのものを、価値を語るコンテンツに仕立てている。その上で、シンプルで言語の壁を超えるコンテンツであることにこだわり、グローバルなターゲットに対して訴求を続けている。ターゲットを明確にすることは、マーケットを狭くすることにはつながらないのである。

 ②共感を生み出すブランド体験を創り出すストーリーを練る

 コンテンツの役割は、設定したターゲットとブランドの強い絆を創り出すことにある。そのためには説得力があり、かつ魅力的な「ストーリーづくり」が重要だ。なぜなら、製品やサービスの品質の高さを訴えることに留まらない物語こそが、ターゲットの感情に訴える力を持つからである。魅力あるストーリーは、記憶に残るブランド体験をつくりあげ、忘れられない感情を引き起こし、ブランドへの愛着を生み出す。ブランドに興味・関心のある人に「ますます好きになってもらう」ための、1対1のブランド体験を創り出す「ストーリーづくり」こそがコンテンツマーケティングにとって重要なポイントである。日産GT-Rがファンや顧客に響く今までの伝統やエピソードをコンテンツの原材料としたり、B&Qが顧客に有益な情報をコンテンツとして提供し続けることは、まさに共感を生み、ターゲットとブランドの間に強い絆を創り出していると言えよう。