インバウンド消費向け支援
サービスが続々生まれる

 日本に旅行する際、多くの外国人観光客が事前に触れる情報は、何と言っても宿泊施設関連情報でしょう。ホテルや旅館が、インバウンド向けのマーケティング戦略を考えるケースを想定して、施設側はどんな施策を打つ必要があるのか。まずは、見込み顧客とのタッチポイントを考えてみます。

 例えば、最近は一般的なツアー旅行と並んで、日本文化に触れる体験型の旅行にも人気が集まっているといいます。そんな外国人観光客の間では、日本の旅館に宿泊したいという人も多いとのことです。

 国土交通省の「旅館ブランドに関する調査研究」※5によると、「外国人宿泊客の旅館の予約手段」という調査項目では、旅館のホームページから直接予約が入るという回答が15.9%に達しました。

 この数字を見ると、旅館のホームページを多言語化することは、最低限必要だということが考えられます。また、旅館を選ぶ人は、温泉や客室、料理など、その旅館ならではのサービスに関心のある人たちですから、設備や料理の写真を豊富に掲載することも必須です。そして当然、ソーシャルメディアでの口コミも選択の重要な基準になりますので、過去に宿泊してくれた人とのリレーションも大切です。

 あるいは、外国人観光客が訪日中に、日本国内でどんなネット上の情報や情報誌などのメディアに接触しているかを調べ、例えばどんな飲食店に行っているかなどの情報から顧客獲得のためのストーリーや施策を考えることも必要でしょう。

 実はすでに、こうしたインバウンド消費に企業が対応する際の支援サービス提供が始まっています。

 例えば、昨年12月、ホットリンクコンサルティングは、「中国人訪日客インバウンド消費に関するソーシャルデータ分析サービス」を始めました。また、今年1月、マイクロアドが、訪日観光客集客支援の専門会社「マイクロアド・インバウンド・マーケティング」を設立するなどの動きも見られています。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、政府もさらなる外国人観光客招致に力を入れることとも相まって、今年はさらに、こうしたインバウンド消費向けの、さまざまなマーケティングサービスやソリューションが登場してくるでしょう。

※5 国土交通省 国土交通政策研究所 旅館ブランド研究会 「~旅館経営者の外国人旅行者受入の実態と外国人宿泊客から見た「Ryokan」~」2014年10月発表