浮足立たず、クレーム対応の基本を守って対応する

 今回の異物混入騒動のさなか、顧問先の担当者などから「これから、どうしたらいいのでしょうか?」という心配そうな声がしばしば聞こえてきた。

 そんなとき、私はこう答える。

「対応のしかたを変える必要はありません」

 相手は、当惑の面持ちで次の言葉を待つ。そこで、こう続ける。

「『変える』のではなく、『より丁寧』に対応すればいいのです」

 時代とともにクレームの形態は変化しても、クレーム対応の基本は変わらない。地に足がついた対応をすれば、クレーマーから“揚げ足”をとられることも、クレーマーが罠を仕掛ける“地雷原”に足を踏み入れることもないだろう。

 最も大切なのは、クレーム対応に際して「5つの行動原則」を守ることである。(詳細は本連載の第2回~第5回と拙著『クレーム対応の教科書』参照)。

 とくに、クレーム多発時代だからといって、解決を焦るのは禁物。じっくり腰を据えてゆっくり対応することを心がけてほしい。