

そして、日本のテクノロジー企業に決定的に欠けているのは「ソフトウェアの力」です。今、世の中に流行っている製品・サービスにはすべてソフトウェアが関わっています。前述したウーバーも、ソフトウェアの力があったからこそ、ビジネス化に成功したのです。
これは何度か指摘していますが、プログラミングの教育が大学からでは遅すぎます。インターナショナルスクールに通う私の4歳の娘は、すでにiPadのアプリでロボットをプログラミングする授業を受けています。
これは、スーパープログラマーを目指せ、IT大国になれと言っているわけではありません。これからのビジネスには、基本的な教養としてプログラミングの知識が不可欠ということ。プログラミングの基本知識、発想を身につけていれば、文系でも斬新なビジネスモデルを生み出すことができるのです。
もう1つ、アイデアを実行できるかどうかも大きな課題といえます。日本の経営会議は「ダメ出し」から入るケースが非常に多い。新規案件に対していくつもの課題が出され、結局、大変そうだからやめようかという結論になりがちです。
これっておかしくありませんか。新しい挑戦、難しい課題を1つひとつこなして、最終的にモノにするのが本来のビジネスの姿なのです。
「壁があるから前に進むのはやめよう」的思考では、破壊的なイノベーションは起こせません。失敗を恐れていては何も始まらないのです。
前述したイーロン・マスク氏を見てください。彼は自前のロケットを3回も爆発させ、世界中から非難を浴びても、あきらめず課題解決に取り組み、成功をつかみとりました。
前回も書きましたが、イノベーションを起こすには、早く失敗することで、チャレンジをもっと増やして経験やノウハウを積んでいく「フェイルファースト(早く失敗しよう!)」の発想が必要です。
無責任かもしれませんが、あえて言います。「日本企業の皆さん、どんどん失敗してください!」。
(構成/河合起季)