富裕層に絶大な人気!
車に近い三輪モデルは「手の届くオープンカー」

 では、同じ三輪でも大きく自動車に近づけた車種ならどうか? 前述の伊アディバ社が15年の東京モーターサイクルショーで世界初公開した「AD Spider」は前二輪のトレッド幅を1080mmと広く取ることで、法規制の面でも、走行感覚でも、自動車と同様に普通免許で運転できるようにしたモデルだ。

「開発のメインターゲットは、ずばり日本です。この車種は旋回時に傾かないので、年配でオートバイを卒業したけどスポーツ走行は楽しみたいという方にぴったりです」(アディバ株式会社 広報宣伝担当 伊原光晃氏)

「AD Spider」は排気量200ccなので高速道路も走行可能。維持費の安いオープンカーとしての需要も期待できる 写真提供:アディバ社

「AD-Spider」の車格になると、「超小型モビリティ」のライバルという位置づけからは外れるが、大人の趣味のセカンドカーとしてはぴったりだろう。

 ホンダ「S660」、ダイハツ「コペン」、マツダ「ロードスター」など小さなオープンカーが人気になっているが、そうした需要の受け皿ともなりうるかもしれない。

 カナダのスノーモービルメーカーCan-Am社が製造する「Spider」は排気量1330ccとさらに大型のモデルだが、三輪タンデムスタイルゆえの解放感と独特の乗り心地、そして高級感を併せ持つ、一種のオープンカーとして富裕層から絶大な支持を集めている。

 ヤマハ「Tricity」のように「一家で3台目の軽四の代わり」となりうる三輪スクーターも、アディバ「AD-Spider」のように「手の届くオープンカー」としての三輪も、どちらも注目に値する。

 1964年の東京オリンピックの頃には、オート三輪という貨物車が街中を走っていた。そして20年のオリンピックの頃には、新たな“三輪”が街のあちこちを走っているかもしれない。

(待兼音二郎/5時から作家塾(R))