――アクセルを踏んで、きちんと成長軌道につなげるのは難しいことだったと思います。

西澤 創業当初、会社が潰れかけたとき、私は4000万円の負債を背負って代表就任を引き受け、「もう1回、みんなで頑張ろう。会社は絶対に潰さない」という覚悟を決めました。とにかく会社を潰さないことだけを考え、創業メンバー全員が1年半無給で仕事をしました。その後、1年半後に4000万円の利益が出るまでに回復しました。いわゆるV字回復ですが、このときに経験したのが、メンバー全員が同じ方向を向くと、組織は一気に強くなるということ。優秀な人間がただ集まっているだけでは意味がない。同じ方向を向いているのといないのとでは、こんなにも違うのだということを、身をもって体験しました。

 会社が伸びるときは、企業としてカチっと固まっているときです。それができていないと本当に伸びない。私は、経営者になってからまだ13年ですが、この間にも、伸びていく企業や潰れてしまう企業などを多く見てきました。やはり潰れてしまう企業というのは傾向があるなと思っていて。

 私は企業文化というのは企業経営そのものだと思っているのですが、そういうものを大事にしていない会社は永続的に成長するのは難しいと感じます。

「1つの目標に向かう」企業文化を
徹底して作る

――ネオキャリアの企業文化はどのように作っているのですか。

西澤 この会社が「何をもっとも大切にしているのか」「どうありたいか」を明文化しています。内容は様々なものがありますが、大きくいうと、「成長し続ける」と「お客様の成長につながるサービスを提供し続ける」という2点が柱になっています。

 大切なのは、これを企業文化にするために会社全体、メンバー全員に「浸透させること」です。我が社はその考え方を「NEO CAREER STATMENT」として1つの明確な図にしています。また、それらの意味をさらに詳しく、『NEO CAREER PHILOSOPHY』という400ページほどある1冊にまとめています。これは我が社のメンバーしか持っていません。

「優秀な人材が沢山いるだけでは会社は伸びない」<br />西澤亮一・ネオキャリア社長

 こうした考え方や企業理念を元に、2015年、2020年、2030年に我が社が「何を目指しているのか」「何故目指しているのか」という明確な目標と理由を掲げています。それを達成するための経営方針、道筋、ルート、なども細かく明文化しています。

 目標として大きく掲げている将来図は、メンバーのPCのデスクトップのデザインにもなっています。また、フィロソフィーから抜粋したテストを毎月行い、企業の考え方をきちんと理解してもらっています。

 これらを実際のビジネスで実行できているかどうか、お客様に対するアウトプットで確認していくことが重要なので、「コミットメントグランプリ」を開催しています。これは「この1年で、お客様の成長につながった一番良いサービス事例」をメンバー全員が提出するもの。数回の選考があり、そこで優れた事例が選抜されていくんです。去年は8人が最終審査に残りました。

 その8人のサービス事例を「情熱大陸」や「プロフェッショナル」風にまとめてムービーを制作し、「私たちが目指すべきコミットメントの体現事例」としてメンバー全員の前で表彰しています。

 こうして、企業理念を浸透させていく、企業文化を作っていくための仕組み作りは細かく実践しています。それくらい「目標に向かって1つになること」を重視してるんです。