働きがいを高めれば
自然にモチベーションは上がる

「社員のモチベーションを高めるにはどうすれば良いですか?」

 このような質問を経営者から受けることがあります。

 でも、それは経営者側の論理です。「同じ給料で、倍働いてくれないか」と言っているのと同じです。社員だって、いきなり「モチベーションを上げてくれないか」と言われても、どうすれば良いか分かりません。そういう場合は、私はこう言います。

「社員の働きがいを高めることです」

小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 社員の「働きがい」を高めれば、自然にモチベーションは高まるものです。ディズニーランドに行くときに、多くの人はわくわくします。いちいちモチベーションを上げてディズニーランドに行かなくても、自然に上がりますよね。親しい友人とゴルフに行くときも同じです。人間は、通常は楽しいことをするときには、自然とモチベーションが上がるのです。

 そして、働きがいが上がれば、自然にモチベーションは上がるものなのです。

「働きがい」とは、「働くことに意義を見出すこと」です。仕事に意義が見いだせれば、仕事が楽しくなりますし、場合によってはそれが志まで高まります。これは、前回に述べた「目的」ととても関連があります。働くことの意義をどれだけ見いだせるかということです。

 自分が携わった商品やサービスがお客さまの役に立っていると思えば、働きがいは高まります。人に喜ばれると、大多数の人はやりがいを感じるものです。お客さま第一で、「良い仕事」をすることに集中しており、それがお客さまや働く仲間に喜ばれるようになると、働きがいが高まり、自然とモチベーションは上がるものです。

「良い仕事」とここで述べましたが、「①お客さまが喜ぶこと、②働く周りの仲間が喜ぶこと、③工夫」の3つと私は定義しています。そのことに集中させることが、働く人の働きがいを高めるのです。