テラデータはデータ分析ソフトウェアを開発・販売する企業。近年はビッグデータ分析のためのテクノロジー企業を次々と買収している。来日したマイク・コーラーCEOに、企業にとってのデータ分析の重要性を聞いた。(取材・文・撮影/ダイヤモンド・オンラインIT&ビジネス 指田昌夫)

マイク・コーラー
(Micheal F.Koehler)
テラデータCEO。1975年にテラデータの母体であるNCRに入社。データウェアハウス事業の拡大に貢献し、2003年にNCR内テラデータ部門の上級副社長に就任。2007年にテラデータを分離独立させ、CEOに就任

――データ分析、とくにビッグデータを取り扱う新興ITベンダーが急増しています。それは長年ビジネスデータの分析を手がけてきたテラデータにとって競争環境が激化するため、逆風なのでしょうか。それとも、データ分析市場全体の拡大は追い風になるのでしょうか。

マイク・コーラーCEO(以下・コーラーCEO) 我々は30年も前から、企業の意志決定を助けるデータ分析のソフトウェアを提供する事業を続けており、現在も分野のトップの位置にいます。

 かつての「伝統的なデータ」に対してビッグデータは、企業にとって「新しいデータ」と言える存在です。ネット上の行動履歴(ログ)や、無数のセンサー、IoT機器なども加わり、これまで取得できなかった膨大な「新しい情報」を、企業は手にすることができるようになりました。

 この変化に対してテラデータは、伝統的なデータ分析での実績をもとに、ビッグデータの取得と分析に関する新しいテクノロジーをいち早く融合させ、さらに付加価値の高いデータ分析のシステムを作り上げました。

 とはいえ、どの企業にも伝統的なデータ分析の機能があります。その上で、ビッグデータをどう生かしていくか。テラデータはその提案ができる点が、他社にない強みです。

 さらに言えば、データ分析は技術だけでは成り立たないということです。データからビジネスのヒントを見出す「分析者(アナリスト)」、そしてさまざまな業種、業界の特性に合わせて企業へ最適な導入方法をアドバイスする「コンサルタント」の存在が欠かせません。

 テラデータは長年にわたり、あらゆる業界に対して、企業がデータをどう生かせば収益を向上させることができるかという課題に取り組んできました。ビッグデータ時代にも、その実績を生かした体制で臨んでいます。