【絶版】
ダイヤモンド社刊
2427円(税別)

 「あらゆる機関、政策、計画、活動について、使命は何か、それは今も正しいか、価値はあるか、すでに行なっていなかったとして、今始めるかを問わなければならない」(『未来への決断』)

 今行なっていなければ手をつけないであろう活動をそのまま続けていくことは、資源の浪費である。

 世論が継続を拒否しそうな政府活動や政府機関は、5割とはいかなくとも、4割には達するだろうと、ドラッカーは言う。しかも、適切に組織され適切に運営されていると誰もが認めるものはあまりない。

 害を与えるものを改革することはもちろん、機能しないものを改革することも、事態を悪くするだけである。

 そこで、政府活動を3つに分類することが必要になる。実際の成果の大きさに基づいて、強化すべきもの、廃棄すべきもの、重点を変え、あるいは仮説を試すべきものに分ける。

 これまでは目論見に基づいて政府活動を評価してきた。これからは成果に基づいて評価しなければならない。必要なものは実験である。福祉や医療について地方ごとに独自のアプローチをとらせる。

 20世紀がつくり上げた巨大国家は破綻した。期待に応えることはできなかったのである。

 だが、代わるべきものは小さな政府ではない。取り組むべき問題は、国内的にも国際的にもあまりに多い。

「われわれが必要としているものは成果をあげる政府である」
(『未来への決断』)