筆者が勤務していたリクルート社には、職場ごとにレジェンドがたくさんいました。例えば、あるアパレル会社の人材採用に関して、何から何まで仕事を任せてもらい、受注額は数億円。その仕事で社内に専門チームが立ち上がり、社史を飾る仕事ぶりをした営業。あるいは、数百億円規模にまで成長した結婚情報誌の立ち上げを社内の反対を押し切って実行した企画担当。こうした人物は、社内でレジェンドとして崇められるほどの存在でした(現在は大半が退社しています)。

 もちろん、リクルート社だけでなく各社にレジェンド社員はいるはずです。記憶と記録の面から語り継がれ、崇められていることでしょう。こうしたレジェンド社員と仕事をするのは緊張するという人も少なくないと思いますが、実際にどのように接したらいいのでしょうか?

レジェンド社員は妄信されがち!
正当な評価を下す方法は?

 レジェンド社員に対する最も悩ましい問題は、ハロー効果の対象になってしまう可能性が高いことかもしれません。ハロー効果とは、心理学者エドワード・ソーンダイクによって名づけられ、「後光が差す」の“後光”をつかった造語。軍隊の隊長に部下の兵士を評価させたところ、良い特徴も悪い特徴もすべてに関して強い相互相関が見られたことから、人の評価は明確な尺度や基準に沿って行われているというよりは、際立った特徴の良い悪いを全体像として捉えていると結論付けました。

 では、ハロー効果はレジェンド社員の評価にどのような影響をもたらすでしょうか?

 人事評価をする時に顕著な特徴に引きずられて、他の特徴についての評価が歪められる現象、すなわち認知バイアス(歪み)と呼ばれるものがあります。例えば、偏差値が高い大学卒であったり、スポーツに優れていたり、字が上手だったりする場合、その人が人格的にも優れていると思い込んでしまうのです。ハロー効果は、認知バイアスの一種にあたります。