マイクロソフト初の無償OS「ウインドウズ10」。今期から日本法人社長に就任した平野拓也氏にあらためてその戦略を聞いた。

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──ウインドウズ10のダウンロード状況と、無償化の狙いは。

 グローバルでは7500万ダウンロードを超え、日本での数値は未公表ですが目標値を大きく超える数を記録し、非常に盛り上がりを見せています。

 ビル・ゲイツ時代の「デジタルの民主化をOSが後押しする」という状況は、デバイスが多様化する中、過去のものとなりました。まずはOSを使ってもらい、好きになってもらった上で、自社クラウドサービスに誘導する。これが無償化戦略の大前提です。

 さらに、ウインドウズ10からは、アプリケーション開発者は、一度開発を行えば、パソコン、スマートフォン、タブレット、ゲームなどの全てのデバイスや、さらに組み込み型のIoT(モノのインターネット)をもカバーすることができるようになる。特にIoTでは、バージョンアップのたびにハードを入れ替えることは困難ですが、ネット経由の無料アップデートで対応すればこれも容易になります。

 利便性が高まり、ユーザーが増え、開発者側のアプリケーション開発意欲も向上する。このサイクルにより、クラウドサービスの「アジュール」の普及や新デバイスの売り上げアップにつながる。そんな流れをつくるのが目標です。

──無償化による業績面へのマイナス効果はないのでしょうか。