キリン株式会社によると同社の飲料技術研究所とキリンビバレッジ株式会社の紅茶と暮らし研究所が、紅茶の歯周病菌に与える影響について試験を行ったという。その結果、紅茶が歯周病菌の生育を緑茶と同等に抑制することなどが明らかとなった。食事を想定した試験では紅茶の飲用が口臭成分であるメチルメルカプタンを有意に抑制することも判明したという。
つまり口臭の原因のひとつである歯周病菌を抑えるだけでなく、口臭の成分そのものも抑制する効果が紅茶にはあるということだ。他にもさまざまな効果があるとされるお茶については別の機会に譲ることにして、ここではそもそも口臭とは何なのか、その原因や予防法などについて考えてみたい。
病的口臭の9割は口内に原因アリ
虫歯と歯周病がなぜ臭うのか?
口臭とは、厚生労働省の資料によれば「口あるいは鼻を通して出てくる気体のうち、社会的容認限度を超える悪臭」と定義される。なお通常の生活で生じるニンニク臭・ネギ臭・飲酒後のアルコール臭などは、多くの人が気にしているものの「生理的口臭」に分類され、定義によっては口臭とみなされないようだ。
狭義での口臭は「病的口臭」を指す。一説によれば病的口臭の9割が口内に原因があり、そのほとんどが虫歯と歯周病ともいわれる。つまり極論すれば口臭を治すことイコール虫歯や歯周病を治すことなのだ。