人気テレビ番組「秘湯ロマン」(テレビ朝日系)であまたの湯を吟味してきた“温泉女優”の春馬ゆかりさんと久米田彩さんに、美肌磨き&癒やし効果など、女性視点でのベスト温泉と温泉宿を聞きました。前半は春馬さん、後半は久米田さんの談話です。

肌がつるつるになる
中山平温泉のうなぎ湯
──春馬ゆかりさん

 お湯の泉質や効能についての知識を持つと温泉の楽しさが倍増します。私は「秘湯ロマン」に出演させていただいて13年になりますが、5年前に勉強を始めてから、温泉の楽しみの幅がとても広がりました。

はるま・ゆかり/2003年より「秘湯ロマン」の旅人として出演中(出演回数最多)。温泉ソムリエ、温泉入浴指導員の資格を持ち、温泉女優として、さまざまなテレビ番組に出演

 温泉成分の効能の知識を持っていると、お風呂の成分表を見て、「この成分ならよく温まるな」とか「角質がよく取れる」とか、自分の体に起きるささいな変化を感じ取れるようになります。それまで違いが分からなかった無色透明の単純泉でも、一湯一湯、違う印象を持てるようになると、温泉が楽しくなります。

 今、私が好きな泉質は単純泉です。3年ほど前までは硫黄泉など温泉らしいお湯が好きで、全身に硫黄のにおいを付けて帰っていましたが、最近は年齢のせいか、単純泉が肌に合うようになってきました。

 単純泉の良さは、体に負担がなく、優しく温まること。それでいていろいろな成分が満遍なく入っていて、いいとこ取りですね。名前に「単純」と付くと、効能が少ないように思えてしまいますが、そうではなく、いろんな効能が満遍なく入っていて、体を整えてくれる感じがします。

 炭酸水素塩泉も柔らかいお湯が多く、私は好きです。角質は溶け、毛穴の汚れまで本当によく落ちます。中でもお薦めは中山平温泉(宮城県)。色は薄い緑で、うなぎ湯といわれる通りぬるぬるしていて、肌がつるつるピカピカになるんです。

 長湯温泉(大分県)は、数少ない二酸化炭素塩泉です。別名ラムネの湯といわれていて、体にものすごく気泡が付着してはじけるので清涼感があり、血行も良くなります。飲めば炭酸飲料のようにシュワシュワ。源泉は32度と低く、夏の長湯に向いていますね。

 自然の中にすてきな大露天風呂があるのが甲子温泉(福島県)の「大黒屋」。土中のいろいろな成分が溶け込んだ湯が、お風呂の底からぽこぽこと湧いてきます。空気に触れるよりも先に私たちの体に触れ、とてもありがたい。温度は低めで、優しく温めてくれる。子宝の湯です。