初心者には、パターやショートアイアンでの小さいスウィングで、ボールが当たることのおもしろさを体感してもらう、というのが前回の話。今回はスウィングの土台となる「グリップ&アドレス」についてです。
ゴルフというのは、クラブの握り方(グリップ)でフェースの向きが決まります。そして、そのフェースの向きが決まれば、クラブを振る方向が決まる。つまり、握り方によってスウィングの方向性(その人のクセ)がほぼ決定してしまうのです。
そのため、できることなら、最初に正しい握り方を教えましょう。ポイントは、手の中でクラブがぐらぐらしないように、「手とクラブを密着させる」こと。そして、リストコックが使える(手首がタテに折れる)ように握ることです。その2つの条件を満たすには、パーム(手のひら)でなく、指でクラブを握る「フィンガーグリップ」をお勧めします。グリッププレッシャー(握る強さ)は、可能な限り、緩く握ったほうがいいと思います。
アドレスでは骨盤を前に傾けながら、上半身と下半身のバランスを整えます。後方から見たときに、「腕の付け根、ひざ頭、足の拇指丘」が1本の垂直なライン上に並ぶのが目安。そして、体重を拇指丘で感じるのが重要なポイントです。
よく耳にする「教え上手」と「教え魔」の違いは何でしょうか。前者は相手のレベルに応じて、必要なことだけをレッスンできる人。後者はそれを無視して、自分が持っている情報をすべて教えたがる人です。特に初心者は、情報が多過ぎると処理できなくなり、頭も体も混乱してしまうので注意が必要です。
また、アベレージクラスの人に教える場合は、相手がわからないことや聞かれたことに対してのみ答えるべきで、聞かれていないことまで教えるのは相手に失礼です。ラウンド前なら、「わからないことがあったら聞いてよ。それ以外は言わないから」と言うのがエチケットです。
(取材・文/小山俊正)