突然ですが、みなさんはDVDやCDのレンタル店を利用していますか?

 私はといえば、社会人になって仕事が忙しくなるにつれて徐々に足が遠のいてしまいました。というのも、レンタルは返却が少しでも遅れると延滞料がかかってしまい、その金額がばかにならないからです。

 多忙で予定が読みにくいと、「返却期限までに、借りたDVDをちゃんと全部観賞できるだろうか」「返しに行く暇がなかったらどうしよう」などと考えてしまい、なかなか店舗に足を向ける気になれないものです。私のように、うっかり返すのを忘れているうちに延滞料がかさみ、痛い思いをした経験がある方も多いのではないでしょうか。

「返しに行く暇がない」に
目をつけたネット宅配レンタル

 みなさんもご存じのように、近年、レンタル業界にもインターネットサービスが登場して人気を集めています。この手のサービスでは、インターネットでレンタルを申し込むと郵送で貸出と返却ができ、店舗に出向く必要がまったくありません。

 レンタル店「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)でも「TSUTAYA DISCAS(ツタヤディスカス)」という名称でインターネットサービスを展開しており、一時期はテレビCMがたくさん流れていました。そのCMを見て、私は「CCCもネットサービスに力を入れようとしているんだな。店舗に行く余裕がないビジネスパーソンを取り込むのが狙いだろう」などと思ったものです。

 しかし、『週刊ダイヤモンド』(2010年3月13日号)の「FREE」特集で同社のビジネスが取り上げられているのを読み、私はTSUTAYA DISCASのビジネスモデルが従来のレンタル店とはまったく別のものであることに気づきました。

 リアルな店舗を利用しない層からもユーザーを獲得できるだけでなく、最近話題の「FREE(無料)」もうまく活用し、しっかり収益をあげられそうなビジネスモデルを作っているのです。

 俄然興味が湧いてきたところで、今回はCCCのビジネスモデルを分析してみましょう。使用するのは、企業のビジネスモデルを“見える化”し、儲ける仕組みを見抜く「ピクト図解」という手法です。