ゴルフは老若男女を問わず、一生楽しめるスポーツです。多忙なビジネスマンにとっては、日頃の運動不足やストレス解消にも最適で、1日でも長くゴルフと付き合っていきたいものです。

 しかし歳を重ねると、悔しいことに「飛距離ダウン」という悩みが出てきます。ゴルフの楽しさやおもしろさの一因はボールを気持ちよく遠くへ飛ばすことであり、飛ばなくなるとその楽しみが半減する、という方もいるでしょう。でもゴルフには、また違った楽しみ方もあるのです。

ショートゲームの腕を磨いて、チップインバーディーや寄せワンのパーを取ることができれば、ゴルフがもっとおもしろくなる

 年齢とともに体力や筋力が低下して、ボールが飛ばなくなってくるのは仕方のないことです。そうなったら、「飛距離を求めるゴルフ」を捨てて、「自分の思ったところにボールを運ぶ」という、ゴルフ本来のゲーム性を追求していきましょう。

 飛距離ダウンによってパーオンが難しくなったとしても、「どのルートならパーが取れるのか」「グリーン周りからいかに寄せワンのパーを取るか」という方向にマインドをシフトしていくことがポイントです。そうすると、コースマネジメントやアプローチ、パットなどに興味がわいて、ゴルフがもっとおもしろくなります。

 とりわけアプローチの分野は奥が深く、傾斜やラフへの対応、ボールのライの見極め、ピッチ&ランやランニングアプローチ、ロブショットなどの打ち分け方、スピンコントロールなどなど、勉強することがたくさんあります。それらを追求していき、技術を身につけることで、寄せを楽しむゴルフができると思います。

グリーン周りのアプローチは、状況に応じて、多彩なテクニックが要求される。スコアアップも望める重要な分野だ

 また、パーという概念にこだわり過ぎるのも問題です。同じレベルの人とラウンドする場合は、パー4という設定でなく、何打でホールアウトできるかを競えばゲームは白熱するはずで、それがゴルフの原点でもあるのです。

 どうしてもパーやスコアにこだわるのなら、レギュラーティーから打つというこだわり(見栄?)を捨てて、自分の飛距離に合ったティーグラウンドを選択したほうがいいでしょう。

(取材・文/小山俊正)