なぜ中国人は心配するのか
くまモン人気も大きな要因

 なぜ中国人がこれほどまでに日本の地震を心配するのか、と不思議に思ったり、訝ったりする日本人も中にはいるかもしれない。

 どこの国の人であれ、被災者に心を痛めるのは人として当たり前のことだが、こと中国人……となると少し違った複雑な感情を持つ場合もある。日本のメディアの報道から「中国人は反日的だ」との刷り込みが少なくないからだ。

 中国でも支援の輪が広がっている理由はいくつか考えられる。

 一つ目は日中関係の改善だろう。12年には中国各地で大規模な反日デモが繰り広げられ、日中関係は「過去最悪」といわれた時期もあったが、翌年には訪日客は回復し、デモの影響は薄れていった。中国から日本への「爆買い」客が急増し、自分の目で日本を見て歩く機会が増えたのだ。

「中国で報道されていた日本とはまったく違う。日本人は親切で、こんなにも礼儀正しい国民だったのか。日本に来てみて印象が180度変わった」と感じて、日本ファンになった人も多い。経済的に豊かになり、生活にゆとりが出たことによって、他人を思いやり、優しくなった中国人が増えたことも一因かもしれない。爆買い効果はこんなところにも、よい効果をもたらしているといえる。

 2つ目は中国でも08年に四川大地震があり、日本からの支援があったことを報道で知っている中国人が多いからだ。

 日本からは国際緊急援助隊の医療チームが現地で被災者の救出やがれきの撤去などに当たったが、特に、救助隊員たちが遺体に頭を下げて合掌したり、遺体を丁寧に扱う姿が中国人の目には新鮮に映ったという。その姿は中国全土に放送された。

 冒頭で紹介した中国人女性は、今回の熊本地震の状況を紹介する際、四川大地震の時に日本の子どもが街頭で募金箱にお金を入れている写真をSNSに投稿していたが、それを見た友人から「今回は私たちが日本人に恩返しする番だ」と話していたという。

 3つ目は中国での「くまモン」人気が、ことのほか高いことだ。

 中国でも日本のキャラクターは「かわいい」と人気があるが、中でも「くまモン」の人気は非常に高い。今回も「あのくまモンの出身地が大地震に見舞われた!大変だ」「くまモン、大丈夫?」などと身近に感じていた人が多い。