新リーダーが「この手順」を踏めばモメずに済んだ

 では、前任者とのバトンタッチのとき、本当はどうすればよかったのだろうか。

1、前任者と同じく「一目置かれるリーダー」になるか、それとは方向性の違う、みんなの意見を聞く「調整型のリーダー」になる。

 いきなり一目置かれるのは正直難しい。スーパースターのあとに、同タイプをもってくるのはかなり厳しいのだ。つなぎでも、調整型を一度挟むのは賢い方法だ。

2、前任者の信奉者たちに、新リーダーの権威を尊重する必要性を理解してもらう。

 これは本来、前任者が退く前にしておくべきことだ。言いたい放題言っても大丈夫なのは、いろいろな特殊条件が重なっているからなのだ。そのことを理解せず、「昔は好きに何を話してもよかったのに今のリーダーは料簡も狭く、聞く耳を持たない」などと宣うのはあまりにも社会性が低い。少しばかりの自制と慎重なモノの言い方をするだけで、ずいぶん雰囲気も変わるし、当人の知見も意思決定に反映される。

3、「会議の達人」を会議の場に入れる。

「力量のあるリーダー」は、事前の調整を良しとしないため「会議の達人」を過去に排除してしまっているが、こういうときこそ達人の技が光る。社内のどこかに、この技をもつ生き残りがいるはずだ。会議の達人を再発見し、重用すべきである。

 どの組織でも、スーパーマンの後釜は大変だ。新リーダーのお手並み拝見と冷ややかに見ないで、周りが少しばかりの気遣いをしてあげることが、会社にとっても当人にとってもよい結果につながる。文句は言ってもよいが、言い方や言うタイミングには気をつけなければならないのである。

(構成/大高志帆)

※なお、本記事は守秘義務の観点から事案の内容や設定の一部を改変させていただいているところがあります。