野村総研、ないものを発想できる人財をつくるために取り入れた「デザイン思考研修」
デザイン思考の内製化は、社員にどのようなアイディエーションをもたらすのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「デザイン思考」とは、問題解決やニーズ発掘から、新たな創造や課題解決に至るまでのアイデアを積み上げる手法で、未来のよりよい社会創造を期待する特徴がある。野村総合研究所の流通・情報通信ソリューション事業本部では、この「デザイン思考」を身に着ける研修が3年ほど前から行われている。その目的は、今はこの世に具現化・実現していないが社会や世の中に必要な“何か”を発想できる人材の育成である。そして、権限や過去の経験・知識などにとらわれないフラットな環境でお互いのものの見方・考え方を共有し、さらにアイデアを膨らませていくことができる職場、さらには社内外で活躍できる環境作りも企図している。デザイン思考の内製化(メソッドとしての紹介と実践)を企画・推進し、社内講師を務めるのは、同事業本部の業務管理室に所属する下田浩誉さん。独自のカリキュラムや場をつくる上での工夫を聞いた。(講師ビジョン株式会社 代表取締役 島村公俊、構成/片瀬京子)

「デザイン思考」を
研修に取り入れた理由

島村 下田さんの所属部門では、事業部門をまたいだ研修を主導されているそうですね。

下田 もともとこの会社には、事業本部ごとに、必要に応じて人財開発を行う文化があります。私も事業本部に所属しながら社内外のさまざまなカリキュラムや情報共有・勉強会でデザイン思考を含む多様な方法・メソッドを学び活用する事例に接し、それを社内への適合性・親和性を考えながら持ち帰り、自社に合ったデザイン思考の研修プログラムを内製化して、社員に提供しています。

 メインプログラムとなっている2日間コースは、アイディエーションに有効なメソッドの位置づけでデザイン思考を学ぶ場を提供しています。ここで言うアイディエーションとは、良いアイデアを出すことだけを意味するのではなく、新しいアイデアを生み出していく過程を重視しています。このため、一事業本部のカリキュラムながら、さまざまな価値観を有している他の事業本部(たとえば、証券、サービス産業、保険といった各ソリューションを担う本部など)やグループ会社の受講希望者も積極的に受け入れています。