2022年入試も人気上昇傾向にある洗足学園(川崎市高津区)

別学主体の神奈川難関・上位校

 10月から首都圏での緊急事態宣言が解除され、飲食店への営業自粛要請も実質的に停止された。とはいえ、年末に向けて第6波の懸念は消えていない。四模試(四谷大塚、日能研、首都圏模試センター、SAPIX)の9月模試では、受験者数が前年同月比5.6%増、人数にして約2600人の増加となったことで、2022年入試の参加者が過去最高の水準に膨れ上がりそうな情勢に変わりはない。

 埼玉・千葉・茨城の男女受験生に続き、今回は神奈川の男女受験生について、9月模試で見られた志望状況の変化を偏差値順に眺めていきたい。偏差値については、四谷大塚の合不合結果80偏差値を基準に、偏差値65以上をAランク、以下5刻みでB~Fランク、30台をGランクとし、偏差値表記のない入試(学校)をHランクとする。学校名(入試名)の後に9月模試による偏差値を表示してある。なお、四模試の志望者数合計が30人を下回っている入試は省いてある。

 偏差値60以上となるABランクの学校は、神奈川の場合、有名大学の付属校を除く進学校では男女別学校が主となる。この点が共学校主体の埼玉や千葉との大きな差である。

 男子校から見ていこう。2月1日で該当するのは、1割増で21年の実倍率2.89倍から3倍超えが見込まれる慶應義塾普通部64と、1割強減で2倍強まで緩和しそうなサレジオ学院(A)61があるのみだ。サレジオ学院は5日(B)61も微減で、4倍強に少し緩みそうである。この2校以外の難関・上位校の受験生は、それが第一志望であれ、併願校であれ、東京の学校を受けることになる。

 女子校では、横浜女子御三家のフェリス女学院65が微増で2倍強に、スタイリッシュな校舎と交通利便性も人気の後押しをする洗足学園(1回)65は2割弱増で3倍台後半となりそうだ。洗足学園は、2日(2回)65は前年同様3.4倍程度に、5日(3回)65は微減で5倍強と、いずれの入試も県内女子校では最も高偏差値で高い倍率を維持している。