エスカレーター校の経営偏差値#1Photo:DBenitostock/gettyimages

少子化の加速で学校淘汰が進む時代、受験校選びでは「入試偏差値」だけでなく、経営状況にも目を光らせる必要がある。そこでエスカレーター校を運営する全国233学校法人の「経営偏差値」を初算出した。特集『エスカレーター校の経営偏差値』の#1では、経営偏差値50以上となった125学校法人のベストランキング、および各学校法人のポジションが一目で分かる経営偏差値一覧表を大公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

入試偏差値で拮抗する早慶
経営偏差値で生じる差

 学校経営は総じて、一般に想像するよりもはるかに厳しい局面にある。大学は供給過剰で私立の6割が定員割れ。出生率が急減して幼稚園、小学校、中学校、高校の順に少子化加速の大波が押し寄せてくる。

 幼稚園や小学校、中学校から高校、大学までのエスカレーター校を運営する学校法人が一貫教育を続けるハードルは高まるばかり。現状すでに定員割れや赤字経営に陥っているのに何も手を打たないければ、枯れゆくこと必至だ。

 名門エスカレーター校であっても大学が消滅する、学校法人ごと立ちいかなくなるといったことがこれからどんどん起こるはずだ。この学校淘汰時代、学校関係者はもちろん、受験生やその家族も受験校選びで経営について目を向ける必要がある。

 とはいっても、気になる学校を運営する学校法人全ての財務資料をいきなり読み込み、他校と比較までするのは容易ではない。「入試偏差値」のように、経営にも偏差値があれば、各学校法人の経営状況をざっくりつかめるだろう。

 そこでダイヤモンド編集部では、エスカレーター校を運営する全国233学校法人の「経営偏差値」を初算出した。

 私立2強である「早慶」(早稲田大学、慶應義塾)は、大学の入試偏差値では拮抗している。しかし、経営偏差値では慶應義塾が67.9、早稲田大学が63.8と差が生じる。それはなぜなのか。

 次ページでは、233学校法人のうち、経営偏差値50以上となった125学校法人の経営偏差値ベストランキング、および各学校法人のポジションが一目で分かる経営偏差値一覧表を大公開する。また、慶應義塾と早稲田大学の間に差が出た理由を明らかにする。