最強のゴルフ#1Photo:Bloomberg/gettyimages, Tomohiro Ohsumi/gettyimages

エリート必須の“教養”ともいえるゴルフは、最強の人脈を築く武器である。特集『最強のゴルフ ビジネス・人脈に効く!』(全12回)の#1では、ビジネス界きってのゴルフ好きであるファーストリテイリングの柳井正代表取締役会長兼社長とソフトバンクグループの孫正義代表取締役会長兼社長執行役員を中心に織り成す、華麗なるゴルフ人脈の全貌に迫った。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

柳井正と孫正義が見せた
一流の「きれいなゴルフ」

 今からさかのぼること十数年前。日本経済を代表する経営者2人の姿が、霊峰富士の麓にある神奈川県の会員制ゴルフ場、箱根カントリー倶楽部にあった。

 その2人とは、ファーストリテイリングの柳井正代表取締役会長兼社長とソフトバンクグループ(G)の孫正義代表取締役会長兼社長執行役員だ。

 当時柳井氏はソフトバンクGの社外取締役であったが、この日はビジネス目的ではない。2人の共通の趣味であるゴルフを楽しむためだった。

 ラウンドを共にしたITN法律事務所の名取勝也弁護士は、柳井、孫の両氏が見せる「きれいなゴルフ」にあらためて目を見張った。

「きれいなゴルフ」というのは、決してゴルフスイングの美しさやスコアの良さのことではない。ゴルフを嗜む上での“一流”の振る舞いだ。

 後続に迷惑を掛けない「プレーファースト」は当たり前。ミスショットやミスパットをしてもキャディに不満をぶつけることもなく、同伴者への気遣いも忘れなかった。なにより、ひたむきにゴルフに打ち込む2人の姿は“美しかった”という。

 英スコットランド発祥のゴルフは、もともと貴族の社交術として始まった。日本でもエリート必須の“嗜み”として、エグゼクティブらはゴルフに打ち込む。もっとも彼らは人脈を広げるために打算でゴルフに励むわけではない。

 まずは、スコアだけではない“一流”のゴルフを極める。その先に、カネでは手に入らない不思議な出会いと人脈が待っているのだ。

 では、ビジネス界きってのゴルフ好きである柳井氏と孫氏は、“一流”のゴルフを通じてどんな人脈を築いているのだろうか。徹底取材を基にその全貌に迫った。次ページでは、その一端を実名入りで明かそう。