最強のゴルフ#9Photo:Photo and Co/gettyimages

「鉄の人」がこぞって通う千葉県の超名門ゴルフ場が「鷹之台カンツリー倶楽部」だ。特集『最強のゴルフ ビジネス・人脈に効く!』(全12回)の#9では、鷹之台カンツリーに鉄鋼業界と総合商社の重鎮が集う「鉄鋼マスターズゴルフ大会」の裏側に迫る。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

「ミスターカルテル」稲山嘉寛が
こよなく愛したゴルフ

 世界での生き残りを懸けて度重なる統廃合を繰り返した末、2019年に誕生した日本最大の鉄鋼メーカー、日本製鉄。その源流をつくったのが、1970年に旧八幡製鐵と旧富士製鐵の大合併をまとめた稲山嘉寛・新日本製鐵初代社長だ。

「競争より協調すべし」との経営哲学から世紀の大合併を推し進めた稲山氏は、「ミスターカルテル」の異名を取った。

 そのミスターカルテルがこよなく愛したのはゴルフだった。稲山氏は首都圏の超名門ゴルフ場「関東七倶楽部」の一つ、鷹之台カンツリー倶楽部(千葉県)の理事長を務めていた。

 その鷹之台カンツリーで70年代後半、鉄鋼業界の業界紙「日刊産業新聞」を発行する産業新聞社が「鉄鋼マスターズゴルフ大会」を始める。大会の優勝杯には、当時新日鐵会長だった「稲山」の文字が今でも刻まれている。

 新日鐵OBによれば、何より協調を重んじる稲山氏の計らいにより、鉄鋼メーカーと原料調達を担う総合商社が結束力を高める場として、鉄鋼マスターズゴルフが始まったともいわれている。

 次ページ以降では、鉄鋼業界の重鎮らが集う鉄鋼マスターズゴルフの裏側を紹介しよう。