「マーケターの神様」と呼ばれる元ネスレ日本社長の高岡浩三氏は、シングルハンディの腕前を持つ上級者だ。それでもゴルフへの向上心が尽きないのはなぜなのか。特集『最強のゴルフ 人脈・ビジネスに効く!』(全12回)の#2では、高岡氏が「ゴルフとビジネスの相乗効果」を語り尽くすインタビューをお届けする。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
同じ条件が全くないのが
ゴルフとビジネスの共通点
――なぜ経営者はゴルフを嗜むのでしょうか。
ゴルフとビジネスは非常に似ています。
ゴルフボールを打つ道具であるクラブは、ゴルフコースの状況に応じて戦略的に選びます。コースにも設計者の意図があります。雨が降ったり風が吹いたりすれば、いつも行くコースでもショットを打つ状況が全く違います。
つまり、ゴルフは全く同じ条件というのがありません。これってビジネスも同じだと思います。競争相手もいるし、消費者の嗜好もずっと同じということはない。
ゴルフとビジネスに共通していると思うのは、うまくいかないこと。ほとんど失敗することですね。関西弁で言うと、「しんどい」。
失敗からどう学ぶか、どう立て直すのか。それを考えるのが好きな人じゃないと、ゴルフってはまらないと思います。
だからこそ、経営者はゴルフにはまるのではないでしょうか。
――高岡さんは自らプレーするのはもちろん、男子ツアーを主催するなどビジネス界でもかなりのゴルフ好きと伺っています。
実は、あるプロの方とラウンドしたとき、ビジネスに役立つヒントを得ました。後のキットカットの大成功につながりました。